(後編)私が学んだ「ゴルフボールの選び方」 〜止まらないグリーンではスピン性能が必要なので、TOUR B XSが頼もしい〜
「ショットの成否はボールで大きく変わる」という人がいます。
一方で、「どうせすぐなくすし、高いボールはもったいないのでロストボールでいい」という人もいます。
いったい、どちらが本当なのか?
そして、ボールはどう選んだらいいのか?
専門家によって言っていることが異なる上に、売られているボールも実に様々で、私にもわからないことだらけです。
しかし、私も様々な情報を学び、詳しい方や上級者から教わり、様々なボールを様々な環境で調べてきて、今ようやく自分なりにベストのボールを見つけ、今でも上達し続けることができています。
そこで、あくまで私の知識と経験をもとに、あくまで私の主観で考える、ゴルフボールの選び方についてまとめてみたいと思います。
前回は前編で「初級者はロストボール一択だと思う!」という記事を書きました。
今回は後編です。
前回は比較的客観的にゴルフを捉えた上での意見でしたが、今回は、かなり私の体験や経験則をもとに書いています。
最初は深く考えず、ディスタンス系のボールを使っていた
前回の記事に書いたように、私は長いことロストボールを使っていました。
しばらくは本当に何のこだわりもなく、ブランドなど特に選ばずに、「変わった色のを使った方が見つけやすくていいだろう」くらいに考えて買っていました。
そのうち、やはり飛距離が欲しくなり、ディスタンス系のロストボールにした方がいいのでは?と思うようになりました。
スコアで言うと、ベストスコア85くらい、アベレージ95くらいの頃です。
その際、レッスンプロに「ディスタンス系のボールにしたら、どれくらい飛距離がのびますか?」と質問しました。
すると「伸びてもせいぜい5ヤード。つまりほとんど変わらない。それよりもグリーンを狙った球が止まるようにスピン系にした方がいい。」と言われました。
これを聞いた私は、レッスンプロの意図とは逆に「5ヤード伸びる可能性があるなら、ディスタンス系がいい。」と思いました。
スリクソンでも、テーラーメイドでも、ミズノでも、大体のメーカーは1つはディスタンス系のボールを出しています。
その上、私はボールのメーカーに全くこだわりがないので、「なんでもいいからディスタンス系」とゴルフショップにロストボールを探しに行くと、大体何パックか売られていますので、(ブランドを選ばなければ)色も選べます。
さらに、ディスタンス系のボールの魅力は安いことです。
あくまで傾向としてですが、ボールは安い順に、ディスタンス系→スピン系→スピン&ディスタンス系(タイトリストのpro v1、スリクソンX-star、ブリヂストンTOUR B Xなど)の順です。
ルール適合球で1ダース定価2,000円を切ったことで話題になったディスタンス系ボールのホンマD1は、Amazonなら1ダース1,500円を切る値段で買うことができます。
ただでさえ安さ重視でロストボールを買いに行っているのに、その中でも安いディスタンス系を選ぶと、1球100円くらいで手に入りました。
その後は、基本的にディスタンス系のロストボールを使いながら、「万が一、ボールがなくなりそうな時に、たまたまゴルフショップに気に入ったロストボールがなかったらどうしよう。」と考え、Amazonで新品の安いディスタンス系のボールを買ってストックしておき、たまにそちらも使うようになりました。
(沖縄はAmazonで注文しても到着までに3日以上かかるため、あらかじめ買っておいてストックすることが必要になります。)
当時はホンマD1がなかったため、ざっと探した中でも安かったテーラーメイド ディスタンス」や「ミズノ JPX」を使っていました。
私はこれらのボールでベストスコア80まで行きましたし、アベレージも88くらいまで行ったので、基本的なショットやショートゲームを18ホールそこそこきっちりやるくらいなら、ボールはどのボールでもほとんど関係ないのではないかと思います。
(ちなみに、テーラーメイド ディスタンスではホールインワンも達成したので、安くてスピンもかからないディスタンス系のボールが私の部屋のトロフィーに飾られています。)
前回の記事にも書きましたが、安いボールを使うメリットは、ボールを無くした時のショックが小さいことです。
私は今ではいいボールを使っていますが、ゴルフ経験が増え、OB・池ぽちゃ経験もだいぶ増えたにも関わらず、ボールをなくしたショックは今の方が大きいです。
理由はもちろん、ボールが高いからです。
これが、私が「初級者はロストボールがベスト」と言う理由です。
どうやっても止まらないグリーンという壁にぶち当たった沖縄の冬
ところが、そんな私にももう少しちゃんとボールを選ぼうと思うきっかけが訪れました。
去年(2018年)の冬に、ホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部でプレーした時のことです。
このコースはなかなか特徴的なコースで、短い、狭い、バンカーが多い、風が強い(特に冬)、グリーンは全て砲台、グリーンの目がきついなどの特徴があるのですが、中でも特徴的なのが、「ショットがグリーンで止まらない(特に冬)」という点です。
このコースの冬のグリーンの止まらなさは割と有名なようで、沖縄のゴルファーはもちろん、県外から観光で来ている人でも「冬はグリーンが硬くて全然止まらないコース」として覚えている人も結構います。
私が特によく出くわして苦戦したシチュエーションが、「奥から順目のグリーンでピンが奥に切ってある時に奥にこぼした。」というものです。
冬で順目だと、本当に全然止まらないので、次の寄せはサンドウェッジで打ってもほとんど寄らず、グリーンセンターまで転がっていってしまうことがしょっちゅうあります。
寄せワンパー狙いからのダボ、という場面が非常に多くなるのです。
手前でワンクッションさせて転がそうにも落とし所がほとんどないし、砲台グリーンなのでパターも使いにくいし、ということで色々調べてロブウェッジを買ったのもこの頃です。
しかしそれでも、ライが悪くてロブウェッジも使いにくいことも多く、グリーン近くにいるのに「ピンに寄せる方法がほとんどない」という場面が結構あるのです。
他にも、奥から順目のグリーンで、ピンは2段グリーンの下で、奥にこぼした際にピンを狙ったら止まらずにグリーンをこぼれてしまった、ということもありました。
そこで思い出したのが、前回の記事にも書いた、レッスンプロの「影響が大きい順に(1)ボール、(2)シャフト、(3)クラブ」という言葉です。
いよいよボールにすがるしかないのか、と様々なボールを探し始めました。
私のボールの選び方と、TOUR B XSが最適だった理由
私の場合、同じ年代の人と比べてもかなり飛距離は出ない方なので、距離を犠牲にすることには抵抗がありました。
そこで、スピン系ではなく、スピン&ディスタンス系のボールにすることにしました。
前回の記事では「あまり変わらないならロストボール」と書きましたが、もう初級者レベルのスコアではなくなっていましたし、明らかに違いがわかるなら、高額のスピン&ディスタンス系にしてもいいと思っていました。
そこで、スピン&ディスタンス系のボールを集めて、アプローチ練習場でひたすらサンドウェッジで短い距離の寄せを打ち比べてみました。
私が調べたのは以下の8種類です。
この実験をしていたのは今年に入ってからだったので、各ボール、2018年モデルか2019年モデルだと思います。
その中で最もよく止まり、唯一このホームコースの7ヤードくらいの短い寄せでスピンがほどけなかったのが、ブリヂストン TOUR B XSでした。
このボール、スピン性能が非常に高いことはゴルフ雑誌でも紹介されていたので知っていました。
ゴルフ5のボール売場に行くと、それぞれのボールについて、ゴルフ5による性能や打感についての評価・特徴がアイコン付きで書いてあるのですが、このブリヂストン TOUR B XSだけは性能を書く欄の外側の一番目立つところに「スピンがすごい」と書いてありました。
実際にラウンドで使っても、短い寄せをした際に、今までのボールでは「オーバーした!」と思った時にスピンが効いて1ピンに留まってくれるような場面が多くありました。
ミドルアイアンくらいだと私のレベルではあまり違いを感じませんが、ウェッジでの70〜100ヤードくらいのショットでは、ピンを狙った際に明らかに今までよりピン近くで止まっていました。
特に意外だったのがバンカーショットで、狙いよりも砂を薄めにとってしまった時に、スピンがギュギュっと効いて止まってくれることが多くありました。
これにより、狙いよりも砂を厚めに取ってしまっても転がっていくし、狙いよりも砂を薄めに取ってしまってもスピンで止まるため、バンカーショットをアバウトに打ってもそこそこ寄るようになったことです。
ティーショットの飛距離もあまり落ちた感じはせず、さすがはスピン&ディスタンス系だと思いました。
そして、これはこのボールを使おうと決めた後に知ったのですが、ブリヂストンのボールは品質に差がないということを、道具に異常にこだわることで有名なブライソン・デシャンボーが言っていました。
デシャンボーは、納品されたボールが、同じメーカーの同じ型のボールなのに、1球ずつ微妙に重心が異なる(つまり重心が球体の中心にないボールが混じっている)ことを気にしていました。
そこで、ゴルフボールが浮くくらい濃い塩水を作り、そこに様々なボールを浮かべてくるくる回すという実験をし、最も均質に回るボールを探したところ、それが日本のブリヂストンのボールだったそうです。
また、このTOUR B XSというボールは、タイガーウッズが2019年のマスターズで復活優勝した際に使ったボールとして知られています。
このタイガーの優勝の時は、ブリヂストンが「タイガーが選んだボール」「ありがとうタイガー」のようなコピーのポスターを刷りまくり、(当然ですが)ここぞとばかりに全力で宣伝をかけていました。
その中で謳っていたのが「プロと同じ性能のボールをあなたも使える」という点でした。
ブリヂストン曰く、プロにボールを提供している他社(おそらくタイトリストのことだという噂が流れましたが真偽は不明)は、同じ名前のボールでも、プロ用のものは少しずつ変えてプロ仕様にしているため、一般に販売されているものとは異なるボールだが、ブリヂストンはプロ用のものと全く同じものを一般販売している、とのことでした。
デシャンボーの実験結果や、プロと同じものを使えるかどうかは私レベルの腕であれば、スコアとはまずほぼ全く関係ないと思いますが、安心感は高まりました。
TOUR B XSは黄色のボールを販売しているので、昔から私が重視してきた「見つけやすい」という点でも優れています。
難点といえば、(今は新品を買っているからということもありますが)他のスピン&ディスタンス系と同じく値段が張ることです。
しかし、何の買い物でもそうですが、値段については、価値が見合っていれば問題ありません。
これだけ止まってくれて、タイトリストのPRO V1やPRO V1xより安いので、全然よしとしていい価格だと思います。
また、このボールの黄色は人気というか、品薄というか、タイガーの優勝以降、「黄色だけ入荷待ち」ということが多くなりました。
黄色の在庫が少ない時はAmazonでも黄色だけ値段が少し高くなることがあるため、ある程度買い溜めをしてなるべく安い時に買うようになりました。
美らオーチャード以外のコースであれば、今でもディスタンス系のロストボールでも大丈夫だったかもしれませんが、特に冬の美らオーチャードでショートゲームで拾おうと思うと、今ではこのボール一択になりました。
硬くて止まらないグリーンを攻略する必要があるという方の場合、スピン性能の高いボールは非常に強い味方になってくれると思います。
(前回の記事)「私が学んだ「ゴルフボールの選び方」(前編) 〜どう考えても初級者はロストボールを買うのがベスト〜」はこちら
過去の「私が学んだ『色々なゴルフ用品の選び方』シリーズ」はこちら
クラブの選び方(4スタンス理論編)
ゴルフシューズの選び方
パターの選び方
ウェッジの選び方
ゴルフ用サングラスの選び方
ゴルフ素振り用バットの選び方