(前編)私が学んだ「ゴルフボールの選び方」 〜どう考えても初級者はロストボールを買うのがベスト〜
「ショットの成否はボールで大きく変わる」という人がいます。
一方で、「どうせすぐなくすし、高いボールはもったいないのでロストボールでいい」という人もいます。
私も様々な上級者、ベテラン、初心者、私の立場やゴルフへの姿勢を理解してくれている人、逆にそうでない人まで、意見や考え方を聞き、書籍、雑誌、ショップでの情報なども収集し、様々なスキルレベルの段階で、様々なゴルフボールを試してきました。
私の考えとしては、ゴルファーも様々ですので「このボールが正解」という答えを他人が決めることはできないと思います。
また、ゴルフボールもしょせん、「いちゴルフ用品」であり、ゴルフ用品の選び方は、様々な立場の人が、様々な考え方のもとに、様々なことを言いますので、どんなに情報収集しても、結局のところは”自己判断”だということになってしまうと思います。
ただ、私が見て、調べて、試して来たことは、自己判断に至るまでの情報の一つとして、役に立つ可能性もあると思います。
そこで、私なりに学んできた、スコアを縮めるための「ゴルフボールの選び方」の情報をまとめておきたいと思います。
今回も長くなりましたので、まず前編「上級者以外のスコア要因は『ボール以外』がほとんど」「初級者はロストボールを買うのがベスト」です。
後編はこちら「私が学んだ『ゴルフボールの選び方』(後編)」〜止まらないグリーンではスピン性能が大事なので、TOUR B XSが頼もしい〜」です。
最新ボールなどのギアの恩恵をより多く受けるのは、圧倒的に上級者である
まず、ボールを初めとして、クラブヘッド、シャフト、グリップ、シューズ、サングラス、距離計測機などのゴルフギアが、ゴルフのパフォーマンスに与える影響がどれだけあるのか?という点に関してです。
もちろん、答えは「人による。」ということになるのですが・・・。
ここで考えたいのは、もう少し具体的に「どんな人はどんなギアの恩恵を受けられて(逆にギアで損をして)、どんな人はどんなギアの影響を受けないのか(何を使っても同じなのか)?」という点です。
私が様々な意見を聞いてきた内容と、私の経験(ゴルフを始めて10年ほどは平均100オーバー、その後2年ほど経った現在は平均85前後)の範囲内から言うと、やはり、ギアの恩恵を受けるのも、ギア選択ミスで大きなリスクを抱えるのもトッププロなどの超上級者です。
そして「どんなギアでプレーしても(スコアは)ほとんど変わらない」とほぼ言い切れてしまうのが初心者だと思います。
ゴルフアナリストのマーク金井氏が「最新の科学技術を搭載したことにより、以前よりもクラブ性能がレベルアップした時、最も大きな恩恵を受けるのはトッププロで、初心者に近くにつれ、ほとんど恩恵を受けなくなっていく」と言っていたのを見たことがあります。
アマチュアの、それも初心者に近くなっていくほど、進化した科学技術の結晶を使いこなす以前のミスや、練習不足により大きくスコアを崩しているということが言えるのだと思います。
もちろん、好きでギアをいろいろ試したり、上達の可能性をギアに賭けてみたりすることを否定することは全くありません。
しかし、目標とするレベルの到達に対して、クラブを振った経験が明らかに少ない初中級者の場合、ギアにこだわるよりも、練習数を増やしたり、良い指導者に教わった方が効果的に上達すると思います。
初級者は、ボールなどのゴルフ用品を換えることの費用対効果が低い
トッププロが様々なギアを研究して、試してを繰り返すのは、「練習」の労力対効果が低いからという面もあります。
トッププロと初心者がともにそれぞれ適切な指導を受けて、同じ量を練習した場合、よりたくさん上達できるのは初心者の方です。
プロではありません。「練習」で上達するのは、圧倒的に初心者です。
イメージとしては、初心者が正しい指導を受けて1年間毎日300球練習すれば、0点のゴルフスキルが1年で80点くらいになるかもしれませんが、トッププロが同じ量を練習しても、98点のスキルが98.01点くらいにしかならないかもしれません。
一方で、0点のゴルフを80点にしてくれるゴルフボールはありませんが、98点のゴルフを98.2点にしてくれるくらいのゴルフボールはあるかもしれない、、、このような考えが、トッププロがゴルフボールにこだわる理由なのだと思います。
また、初級者の場合、いいボールを悪いボールに換えた際の違いよりも、1ラウンドの中で普通にできるいいショットと悪いショットの違いの方が、はるかに大きいため、ギアを換えることの費用対効果が(練習の費用対効果と比べて)悪いという面もあります。
「練習」より「ギアの交換」の方が、労力の費用対効果が高いという場面が多いのがトッププロであり、「ギアの交換」より「練習」の方が、労力の費用対効果が高いのがビギナーなのだと思います。
ということで、「あまりに経験値が少ない場合は、(ボールなどの)ギアを変えるよりも、正しい指導をしてくれるプロについて練習した方が上達する」という考え方をあくまで前提に、この記事を進めたいと思います。
(スコアアップにこだわるよりも、ギアにこだわる方が面白い、という考えも、私は尊重していますが、今回はあくまでスコアアップのため、という視点で描いてみたいと思います。)
私のゴルフ用品交換スタイル
なお、私は新作のクラブやスイング理論などのゴルフ情報を収集するのは嫌いではありませんが、周囲のゴルファーと比べても、クラブ、用具、ウェアなどの購入は明らかに少ない方だと思います。
男性ゴルファーであれば、ドライバーなど、ラウンド30〜100回くらい、期間にして数ヶ月〜1年もラウンドすれば交換してみたくなるゴルファーも多いと思いますが、私のドライバーはもう初級者の頃から300ラウンド以上は今のものを使っています。
ラウンド以外に、おそらく練習でも数万発、しかも中古で買っているので私以前のオーナーも含めると相当な数を打ち込んでいると思いますが、そこまで新しいだけのギアに関心がない(それより正しい指導と継続した練習を重視している)ということもあり、まだしばらく換えるつもりもありません。
(なお、ヘッドスピードが上がっているのでシャフトは変えています。)
ドライバーだけでなく、アイアンも、ウェッジも、キャディバッグも、ウェアや帽子も初級者の頃からほとんど買いませんし、グローブやシューズも穴が空いたり壊れたりするまで買いません。
(なお、クラブに関しては例外的にパターは色々調べて、試していますし、今後も変え続けてもいいと考えています。)
これもあくまで個人的な意見ですが、私くらいのレベルまでは、初心者の頃からほとんどギアを変えずにスコアを縮められると思います。
そして、そんな私でも、色々調べて、色々試して、試行錯誤してきたのがボールでした。
私が現在通っているレッスンプロはクラブ調整も行っていますが、そのレッスンプロ曰く、スコアに影響するギアの順は(1)ボール、(2)シャフト、(3)ヘッドの順であり、ボールが最も大事だと言っていました。
私の体験としては、ゴルフショップや試打会などに行っても「今のクラブより明らかに良い」と思えるほど差があるクラブには出会ったことがありませんが、ラウンドで「今までのボールより明らかに良い」と思えたボールが、今使っているボールを始めとしたいくつかのボールです。
このような経験からも、「初級者にとってボールは『正しい指導と、継続した練習』ほど大事ではない。」「しかし、ギアの中では、ボールは『その他のギア』より重要」という考えで書き進めていきたいと思います。
ちなみに以前の記事にちょっと書きましたが、私が最近愛用しているのはBRIDGESTONE(ブリヂストン)TOUR B XSいうボールです。
おなじみ、タイガーウッズがマスターズで復活優勝した際の使用モデルであり、今年大注目を浴び、ブリジストンもポスター等で「マスターズ2019タイガー使用ボール」とゴリゴリにこすって宣伝しているので、今ではかなりミーハー感が出ているこのボール。
これのイエローを使っています。
私がこれを選んだ理由は、次の「後編」で書きたいと思います。
初心者〜初級者はロストボールを購入するのがベスト
ゴルフを始めたばかりの初心者から初級者には、安いロストボールをゴルフショップで購入してラウンドで使うのをお勧めします。
もちろん、私も今年に入ってから今のボールを使うようになったのですが、それまでは長らくロストボールをはじめとした、最低限のクオリティの安いボールを使っていました。
ロストボールの最大のメリットは、もちろん安いことです。
上述にて、初心者は「どんなギアでプレーしても(スコアには)ほとんど変わらない」と書きましたが、これはスコア以外に与える影響でギアを選んだ方がいいということです。
競技ゴルファーのように、ゴルフに休みの大半を捧げているようなゴルファーは別として、まだ今後ゴルフに本格的に取り組むかわからない初心者にとっては、ゴルフをするにあたって「お金がかかりすぎない」という点が大事だ、という人がほとんどです。
中には、ゴルフボールはいいボールを使っても500円くらいなので、(お金に余裕がある方にとっては)そんなに高くないため、「たかだか数百円の差なんだから、いいものを使った方がいい」と言う人もいます。
しかし、初心者〜初級者はやはり上級者と比べてボールをなくす個数が多く、90台で回るような中級者でも、力がある男性のスポーツ経験者であれば、狭くて池が多いコースに行けば1日に3個も5個もなくすことは珍しくありません。
上級者はラウンド経験が豊富な上に、池ぽちゃしたらすぐに次に切り替えてマネジメントすることを考える必要があるため、ボールを無くしてもそこまで気にすることはありません。
1ラウンドでボールをなくす回数も圧倒的に少ないです。
一方、ボールを無くした経験が少ない初級者ほど、ボールを無くしたショックは大きいです。
そして、初級者ほど、ゴルフに対して「ボール代が高くつく」「悲しいミスをした」などマイナスの印象は、今後ゴルフを長く楽しむ上では少ないに越した方がいいと思います。
ボールを無くしたときに「あー。。。また500円が池に消えていった。」と思うのか、「ロストボールでよかった。また練習しよう。」と思えるのかは、初級者がゴルフに親しむためには大きな差となると思います。
「池ぽちゃしたショックが、次の練習へのモチベーションになるんだ!だから池を超えるためにも、敢えていいボールを敢えて使った方がいいんだ!」と言う人もいます。
しかしこれは、既にある程度練習を積んでいて、今後も試合などのために練習し続けるモチベーションが必要な上級者にのみ当てはまる話であって、初心者には当てはまらないと思います。
むしろ、上述のように、そもそも池ぽちゃ経験の少ない初心者の方が1回の池ぽちゃのショックは大きくなりがちなので、それが長いゴルフ人生においてマイナスになりすぎないよう、安いロストボールで池ぽちゃした方がいいと私は思います。
もちろん初級者の場合、池に入れてしまった原因もボール以外の原因がほとんどなので、敢えていいボールを使ったからといって池を超える確率はほとんど上がらないとも思います。
ロストボールには、上級者と違う「見つけやすいボール」も
ロストボールを使うメリットは他にもあり、例えば、安いロストボールには上級者があまり使わないような変わったブランドや色のボールがあるので、それらを選べば、上級者とラウンドした際に自分のボールを識別しやすくなります。
ショットを打った後に大体自分のボールがどの辺にありそうか予想をつけやすく、ボールの確認にも慣れている上級者にとっては「自分のボールを識別しやすい」というメリットはそこまで大きくありません。
しかし、まっすぐ飛ばないし、ボール探しも慣れていないという初心者にとっては、自分のボールが見つけやすいというのはメリットです。
上級者が競技で使うボールに蛍光ブルーとか、パールピンクでラメ入りとか、そういうボールは少ないので、そのような変わった色のボールを安くでまとめ買いしておけば、ラウンドにいった際に自分のボールを見つけやすくなります。
なお、最近ではタイトリスト、ブリジストン、スリクソンなどの上級者向けのボールの中にも黄色のボールが増えてきましたが、まだまだ少数派です。
私も見つけやすさを重視して今も上述のように、黄色のボールを使っています。
性能、打感、見た目など・・・ロストボールにもデメリットはあるけれど
ロストボールのデメリットは、もちろんスピンと飛距離の性能が新品に比べると落ちがちだという点です。
しかし、ゴルフを始めたばかりの初級者にとってそんな違いは、わかるはずもないくらいの小さな差ですし、100を切ったことがないような初級者であっても、おそらく新品との差はほとんどわからないと思います。
スピン性能や飛距離の差以外のボールの差としては、いいボールと悪いボールでは打感が異なります。
大体はスピン・飛距離性能の高い、いわゆるいいボールの方が柔らかい打感であり、上級者はこの打感を好むことがあります。
しかし、普段あまり100を切るラウンドが少ないような初中級者以下くらいであれば、ほとんどのショットはダフったり、トップしたり、チョロしたり、擦ってスライスしたり、ときにシャンクしたりと、いいボールを使ってもいい打感にならないような当たりが大半なので、打感も関係ないと思います。
専門家の中には「ロストボールを使う場合でも、ボールのブランドは揃えよう」という人もいると思いますが、私はそれも差がわからないと思いますので、不要だと思います。
タイトリストが好きならタイトリストのロストボールを、ミズノが好きならミズノのロストボールを、ピンクが好きならピンクのロストボールを、なんでもよければごちゃ混ぜの一番安いロストボールを買うのがいいと私は思います。
なお、ギアにこだわりのない私は初めて90を切り、平均スコアが88になるくらいまでロストボールを買って使っていましたが、あのままでももう少し伸ばすことはできたと思います。
(なのに、なぜそこからボールを選ぶようになったのかは次回の後編で書きたいと思います。)
こんなロストボールはNG
初級者にも目立って悪影響するボールがあるとすれば、買ったロストボールではなくて、拾ったロストボールを使う場合です。
拾ったロストボールは、拭いても取れないくらい汚れがこびりついていたり、誰が打ってもおかしなスピンがかかるぐらいの谷のような傷がついていることがあります。
そのようなボールは初めての100切りを目指すような大事なラウンドで、ボールが原因の謎の失速や曲がりが出る可能性があるので、拾ったロストボールではなく、買ったロストボールを使うのがいいと思います。
また、売られているロストボールは清潔です。
特に女性には、どこの誰だか知らないおじさんがどんな衛生状態かわからない手でいっぱい触ったボールや、カラスや獣が触ったかもしれないボール、そのまま拾って使うのは「考えてみたら嫌だ」という人も多いと思います。
そのような方は1球100円前後であれば、ゴルフショップで見つかる場合が多いので、買った方がいいと思います。
あとは、「ロストボールなんてカッコ悪い」とか「誰も知らないブランドのボールなんてカッコ悪い」という人もいますが、私はそんなことはないと思います。
アメリカツアーのトッププロでも聞いたことないブランドのギアを愛用している人は多くいます。
それに、「120叩くこともありますが、ボールにはこだわります。」という人と、「120叩くこともあるので、ボールにはこだわってません。」という人と、どっちがカッコ悪いと感じるかなんて、上級者から見ても意見は本当に人それぞれです。
「新品だとカッコいいから新品を買う」という人が新品ボールでプレーするならわかりますが(それもすぐに汚れて傷がつくのですが)、初級者が「ロストボールがダメな理由」はほとんどない思います。
では、いつのタイミングでロストボールを卒業するのが良いのでしょうか。
これは次回の記事で書きますが、ロストボールを卒業するタイミングとは、「ロストボールではダメな時が来たから新品を買おう」と思った時ではなく、「ロストボールにはない、自分の求めるスペックの新品ボールを見つけた時」だと私は思います。
これもあくまで私の意見であり、人によっていろいろだと思いますので、次回は私の体験と併せてボールの選び方の続きについて書いてみたいと思います。
後編はこちら「私が学んだ『ゴルフボールの選び方』(後編)」〜止まらないグリーンではスピン性能が大事なので、TOUR B XSが頼もしい〜」です。
過去の「私が学んだ『色々なゴルフ用品の選び方』シリーズ」はこちら
クラブの選び方(4スタンス理論編)
ゴルフシューズの選び方
パターの選び方
ウェッジの選び方
ゴルフ用サングラスの選び方
ゴルフ素振り用バットの選び方