平均90台後半から、4ケ月後に平均80台にするのに役に立った練習と、役に立たなかった練習をストロークゲインドを使って解明
最近5回のラウンドのアベレージは89.8、最近10回のアベレージは88.9、最近20回のアベレージは89.1、2018年のアベレージは93.9、GDOスコア管理アプリのGDOハンディキャップは15.8です。
最近10回、GDOハンディキャップは少し落ちてしまいましたが、最近5回、最近20回、2018年のアベレージの数値は改善してきています。
スコアには波があるし、1週間2週間単位でコンディションを整えることよりも、年単位でスイングを作ってスコアを縮める時期だと捉えているので、直近5回とか10回とかの数値の伸びた落ちたにはあまり重きを置いていません。
それよりも、2018年のアベレージの数値が、見るたびに1度も悪化せずに8月まで来ているというだけで、今年続けている練習の効果があると感じています。
今回は、今週の練習内容に加えて、このあたりをSG(ストロークス・ゲインド)を使って分析してみようと思います。
<今週のゴルフ練習>
・日曜:ラウンド(スコア89)、ラウンド後のパッティング練習グリーン(片手パッティングでロングパット、ミドルパット、360度ショートパット練習)、「モダン・ゴルフ」式グリップ練習
・月曜:アプローチ練習場で片手アプローチ、20~110ヤードでラフ・フェアウェー、上げる・転がすの打ち分け練習、バンカーショット、パッティング練習グリーン(片手パッティングでロングパット、ミドルパット、360度ショートパット練習)、「モダン・ゴルフ」式グリップ練習
・火曜:ドライビングレンジ(自習)、家でパターマット、「モダン・ゴルフ」式グリップ練習
・水曜:アプローチ練習場で片手アプローチ、20~90ヤードでラフ・フェアウェー、上げる・転がすの打ち分け練習、パッティング練習グリーン(片手パッティングでロングパット、ミドルパット練習)、家でパターマット、「モダン・ゴルフ」式グリップ練習
この4ケ月で平均スコアを8縮めるまでを、様々な指標で解明してみる
今年の3月末くらいから、SG(ストロークゲインド)を使ったショット分析アプリ「Golfmetrics」で、ラウンドのショット分析をしてきました。
この間は、「Golfmetrics」で目立って数値の悪い(SG指標で打数を失っている)ショットについて、練習法をレッスンプロに質問したりしながら時間を作って練習してきました。
Golfmetricsでショット分析をし始めた最初の頃の、3月末~4月の10ラウンドの私の平均スコアは96.5でした。
それが、Golfmetricsにある直近10ラウンド(8月)の私の平均スコアは88.7まで、約8(7.8)も縮みました。
(上述の「直近10回平均」と数値が異なるのはパーの数が変わったホールがあるなどGDOアプリとGolfmetricsでは記録方法が異なるため。)
そこで、この約4ケ月半の間でどのショットがよくなったのか、それはどんな練習の効果だったのか、そして練習したにも関わらず改善しなかったショットはどれなのかを検証してみたいと思います。
まずは標準的に使われて来た指標の比較
まずは、SGではなく、よくテレビ中継などで使われていたり、スコア管理アプリでも見れたりする標準的な指標を比較したいと思います。
以下は4ケ月前の「標準的な指標」です。
そして以下が、直近の「標準的な指標」です。
1ラウンド平均スコア、平均パーオンホール数(Greens in Reg per Rnd)、フェアウェーキープ率、サンドセーブ率の全てがこの4ケ月で改善しています。
ちなみにバンカーに入れた回数も10ラウンドで37回から30回に減っています。
1ラウンド平均のパー数、ボギー数が上がり、ダブルボギー数、トリプルボギー数、+4以上の数が下がっています。
中でも最も差が大きかったのがダブルボギー数であり、1ラウンド平均で2.8ホール減っています。
次いで差が大きかったのがパー数で1ラウンド平均で2.1ホール増え、その次に差が大きかったのがボギー数であり1.6ホール増えています。
スコアとは逆に平均バーディー数は減っていますが、これは1ラウンド平均で0.2回とか0.1回とかなので誤差の範囲です。
つまり、アベレージ90台後半のプレーヤーが、アベレージ80台になるには、一番大事なのはダボを減らすこと、次いで大事なのはパーを増やすこと、そしてその次はボギーを増やすことだと言えそうです(ただし、私くらいのショット別スキルのプレーヤーの場合)。
ホール距離別の平均スコアでは、最も変化があったのがパー5(6.64打→5.73打に0.91打縮んだ)であり、次に変化があったのがパー4(5.47打→5.14打に0.33打縮んだ)で、最も変化がなかったのはパー3(4.05打→3.86打に0.19打縮んだ)だと言えます。
ただし、パー72のコースであればパー5とパー3は4ホール、パー4は10ホールあるので、「上記のデータでは、どのホールで改善がみられたことが1ラウンド平均スコアに影響を与えたのかはわからない」という方もいると思います。
そこで、上記の数値(1ラウンド平均で縮んだ打数)に、パー5とパー3は4を、パー4は10を掛けて、どんなホールで1ラウンド平均何打縮めたのかを計算してみました。
その結果、1ラウンド平均で加味すると最も影響があったのがパー5で1ラウンド平均3.64打(0.91×3=3.64)縮んだ、次に影響があったのがパー4で1ラウンド平均3.3打(0.33×10=3.3)縮んだ、最も影響がなかったのがパー3で1ラウンド平均0.76打(0.19×4=0.76)縮んだと言えます。
アベレージ90台後半からアベレージ80台になるにはパー5でのスコアを縮めるのが有効だと言えそうです。
パット数が減っていること、1ラウンド平均のペナルティになったショットが減っていることも影響しているとも言えそうです。
そして、特に注目すべきだと思ったのは、ドライバーの飛距離がこのデータ上は全く変わっていないことです。
平均飛距離は211ヤード、75パーセンタイル飛距離は225ヤードであり、伸びも落ちもしていません。
この飛距離は、スコアカードに書いてあるパー4・パー5のホール距離から、セカンドショットの残り距離を引いたものなので、打ち上げ・打ち下ろしや、ドッグレッグや、コース別のホール距離の厳密さなどによって変わるため、あくまで参考になります。
書籍「ゴルフ データ革命」では、「ドライバーの飛距離が伸びれば伸びるほど、スコアには好影響を与える」という事実が統計的に事実であることが紹介されています。
つまり、「スコアカードに書いてあるパー4・パー5のホール距離から、セカンドショットの残り距離を引く」という計算方法による、「ティーショットの距離がもたらすスコアへの影響」はほとんどアテにならないと感じています。
(あるいは、「私のようなプレーヤーなら、飛距離を伸ばすより、ペナルティを減らせ」という意味のデータなのかもしれません。更なるデータの蓄積が待たれると思います。)
そして、最も重要な点について、ここでも再度確認しておきます。
これらの「標準的に使われて来た指標」では、どんなショットの改善がスコアの上達につながり、どんなショットの不調がスコアの悪化につながったのか、というのはわからないという点です。
つまり、この4ケ月くらいで私は(平均スコアが向上している点から見て)どうもうまくなったようなのですが、なにがどう上手くなったのか、どんな練習でうまくなったのか、どんな練習ではうまくならないのか、は何も分からないということです。
これを知るには、SG(ストロークスゲインド)を知る以外に、現時点では有効な方法は何もないと思います。
SG(ストロークゲインド)の比較
4ケ月前(10ラウンド平均96.5)と現在(10ラウンド平均88.7)を比較して、スクラッチプレーヤー(72で回る人)に対して失った打数の差は以下です。
まずは平均96.5のラウンドでのショット別SGが以下です。
次に、直近10回のショット別1ラウンド平均のショット別SGが以下です。
<<4ケ月前→現在・・・スクラッチプレーヤーに対して失った打数の差>>
<パー4・パー5のティーショット>
1R平均2.80打失っている→1.96打失っている・・・0.84打
<100ヤード以上のショット・ロングゲーム>
1R平均7.19失っている→5.79打失っている・・・1.40打
<100ヤード以内のショット・ショートゲーム>
1R平均6.78打失っている→3.66打失っている・・・3.12打
<パッティング>
1R平均5.16打失っている→4.21打失っている・・・0.95打
この4ケ月で最も失った打数を減らすことができたのは、100ヤード以内のショートゲームでした。
4ケ月前は1ラウンド平均でスクラッチプレーヤーに対して失った打数がパターよりも多い(100ヤード以内はー6.78打、パターはー5.16打)という状況でした。
しかし、今は100ヤード以内の寄せの方がパターよりも失った打数が少なくなっています。
私は今年の2月くらい(SGデータを取る前)までは、近所のゴルフ練習場の芝で気まぐれでボールを転がしたり、たまにホームコースのアプローチ練習場でグリーン周りからウェッジの練習をしたりしていました。
ところが、2月に、以前京都に住んでいた頃に通っていたレッスンプロ主催のラウンドレッスンに参加しました。
その際に「アプローチ練習場に通える環境があるなら、グリーン周りからウェッジで片手で寄せる練習をしてください。放っといてもうまくなりますわ。」と言われ、この練習を継続してやるようになりました。
これを始めたのが2月下旬であり、それから今(8月)まで週1~2くらいで繰り返していて、これによりグリーンエッジから5ヤードくらいの距離からの寄せがびっくりするくらい寄る(たまに入る)ようになりました。
また、ここ数ヶ月はアプローチ練習場のグリーンから20~110ヤードくらいの距離で、ラフとフェアウェー、上げる球と転がす球でグリーンを狙う練習をするようになり、これが本番でも生きるようになりました。
これらの練習が、100ヤード以内の寄せでスクラッチプレーヤーに対するSGで1ラウンド平均3.12打も縮められるようになったことにつながったと思います。
また、元々最も苦手だったのは100ヤード以上のロングゲーム(ー7.19打)で、今も最も苦手なのは100ヤード以上のロングゲーム(ー5.79打)であるというのは変わらないと言えます。
SG(ストロークゲインド)を世に知らしめた書籍「ゴルフデータ革命」でも、アベレージゴルファーと上級者の差が最も出るのはロングゲームというデータがあります。
私の場合、4ケ月前も、今でもこの傾向が出ていると言えます。
ただし、そんな苦手なロングゲームでも1ラウンド平均1.4打、失った打数を減らすことはできています。
これまでゴルフをやってきた中で、ドライバーと、長いクラブのショットはレッスンプロに指導を受ける以外には短期間で確実に上達する方法はないと私は感じていました。
だから、私は人にものを教えるスキルのあるレッスンプロを探すことに時間をかけました。
そして、それまでの1年くらいはあまり集中して指導を受けていなかったのを、今年の3月から集中して教え上手なレッスンプロのレッスンに通うようにしたのですが、これが目立ったSGの向上につながっていると思います。
ショット別ハンディの比較で、スコア向上につながった練習がわかる
また、「Golfmetrics」では、距離別の全ショット平均の「ショット別ハンディキャップ」も算出することができます。
以下が、4ケ月前の10ラウンドのデータをもとに算出したショット別ハンディです。
続いて、以下は直近の10ラウンドのショット別ハンディです。
ショット別ハンディが最もよくなったのは、なんとバンカーショット(32→16で16縮めた)でした。
これは私も今回調べるまで全く実感がなかったデータでした。
今年の4月くらいまではアプローチ練習場のバンカーでバンカーショットを練習し、あまりに想定外のホームランや、あまりに想定外のバンカーを出ないショットはなくすように練習してきました。
しかし、ホールによってバンカーの質が異なったり、ホームコース以外ではぶっつけ本番のバンカーショットを求められるようになったため、バンカーショットはいつも苦戦して来たイメージがありました。
その中で工夫して来たことと言えば、最近では足の裏で砂の質を感じ、少なくとも大崩れしないための情報を得てバンカーショットすること(少なくとも、「固いからホームランのリスクが多そう」か「柔らかくて出ないリスクが多そう」かのどちらかくらいは決めてからアドレスに入ること)くらいは意識するようになったので、これが効いたのかもしれません。
ホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部は、とにかくバンカーが多いことで知られているコースであるため、ラウンドの中でバンカーショットの数をこなせただけでなく、様々な状況でのバンカーショットをする経験に恵まれたと言えるかもしれません。
なお、2番目にショット別ハンディが改善したのは20~60ヤードの寄せで、ショット別ハンディキャップにして10縮めました。
これは上述の通り、「アプローチ練習場のグリーンから20~110ヤードくらいの距離で、ラフとフェアウェー、上げる球と転がす球でグリーンを狙う練習」くらいしかしていないので、これが効いていると思います。
4番目にショット別ハンディが改善したのが60~100ヤード(8縮めた)であったことを加味しても、この「アプローチ練習場での20~110ヤード打ち分け」は意義があったと非常に強く感じています。
なお、3番目にショット別ハンディが改善したのは150ヤードから200ヤードのショットで9縮めています。
これは、「ゴルフ データ革命」を読んで以来、練習場で練習するクラブをミドルアイアンに変えたことです。
具体的には、以前は練習場ではスイングを作る練習は7~9番アイアンで練習していましたが、上述のようにゴルフデータ革命では長いクラブほどレベル別に差が出ることを解き明かしていたのを知り、練習場では5番アイアンや6番アイアンで練習するように変えました。
ユーティリティーを練習場で練習するようになったのも、ゴルフデータ革命を読んだ後からだと思います。
150ヤードから200ヤードのショット別ハンディキャップが大幅に伸びる要因なんてこれくらいしか考えられません。
4ケ月前はショット別ハンディキャップが25を超えるのは150~200、バンカーショット、7フィート以上のパットだけだったことを考えると、この「練習場で長いクラブを練習する」という方法は役立ったと思います。
なお、ショット別ハンディが悪化したのは
・200〜250ヤード(ショット数は全体の2.7%・ショット別ハンディはー6)
・250ヤード以上(ショット数は全体の2.4%・ショット別ハンディはー4)
・グリーン22フィート以上(ショット数は全体の4.0%・ショット別ハンディはー7)
があります。
これらはいずれも、全ストローク数の4%以下の、いわゆる「レアなショット(パット)」です。
そして、本当はこうなるに至った「スコアを悪化させる練習」を特定したかったのですが、200ヤード以上を悪化させるに至った練習も、22フィート以上を悪化させるに至った練習も思い当たりません。
つまり、「何かの『下手になる練習をした』ということではなく、そもそも比率が少ないためにたまたま結果的に『悪化した』」と評価する方がよさそうだということです。
もっと調べれば「役に立たなかった練習」というものも出てくるかもしれませんが、いまのところそれも見当たらず、むしろ私レベルであれば今のところ「下手になる練習」というものはほとんどやっていないといえそうです。