ラフ深・強風のハードコンディションでのラウンドデータを、SG(ストロークス・ゲインド)を使って分析し、対策を導き出す方法
最近5回のラウンドのアベレージは89.8、最近10回のアベレージは88.8、最近20回のアベレージは88.8、2018年のアベレージは93.2、GDOスコア管理アプリのGDOハンディキャップは14.3です。
直近のラウンドで98を叩いてしまったため、最近5回、最近10回、最近20回ともに平均スコアが悪化しています。
(2018年とGDOハンディキャップは現状維持。)
実に30ラウンドぶりの95オーバーであり、悔しいのですが、分析しがいがあるスコアなのでSG(ストロークス・ゲインド)を使って分析してみたいと思います。
<先週後半~今週前半のゴルフ練習>
・金曜:ドライビングレンジ(自習)、家でパターマット
・土曜:(台風上陸のため)自宅でネットに向かってアプローチ練習、家でパターマット
・日曜:ラウンド予定が台風の影響で停電・コースに倒木等のためクローズ→休み
・月曜:ドライビングレンジ(自習)、家でパターマット
・火曜:ラウンド予定が停電復旧せずクローズ→アプローチ練習場で片手アプローチ・20~110ヤードのライ別・高さ別の打ち分け練習、家でパターマット
・水曜:ラウンド(スコア98)
・木曜:(台風上陸のため)自宅でネットに向かってアプローチ練習、家でパターマット
回数で書くと、7日間で
・ラウンド1回
・ドライビングレンジ(レッスン):0回
・ドライビングレンジ(自習):2回
・アプローチ練習場での練習:1回
・パッティンググリーン:0回
・家でパターマット:5回
となります。
30ラウンドぶりに95オーバーを叩いたラウンドの自己分析してみた・・・が。
直近の98を叩いたラウンドはホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部でした。
この日の敗因を一つ考えるとすれば、クラブチャンピオンシップの前週ということもありラフは深め、次の台風が迫っていたので風は(基本的に風が強い普段の沖縄のゴルフ場と比べても)強め、前の台風が去った直後でコースに木の枝(ときには木の幹)などが落ちている状況であったということもあり、ボールがOB・ロストしやすい状況でした。
それもあってか、この日は明らかなティーショットOBが1発あったのに加えて、普段ならOBにはならない場所に打ったボールがロストしたのが2発、明らかにOBがない場所に行ったボールがロストするというのが1発ありました。
これだけで8打失っているので、一見これがスコアが悪かった理由とも考えられます。
しかし、この4発が無かったとしてもスコアは90。
これは、先週時点で最近10回のアベレージが87.9だったことを考えると悪いスコアだと言えます。
しかも、セカンドがOBになった1回と、OBがないホールで謎のロストをした1回を除いた残りの2回のOBでは特設ティーから打っているため、打ち直しよりは有利であり、これらのOBでは8打も失っていないと言えます。
つまり、上述の「ロストしやすい要因」以外にも私がスコアを崩した要因があると言えます。
そして、これらはただの「自己分析」だけでは、正確な分析ができないのです。
そこで、これについて、この日のラウンドと、その前の5回のラウンドの平均データをSG(ストロークス・ゲインド)を使って比較し、課題を分析してみたいと思います。
なお、「その前の5ラウンド」の平均スコアは87.6なので、この日の98だったスコアと比べると、SGには98ー87.6=10.4打の差があるはずです。
ただし、「その前の5ラウンド」には同じ美らオーチャードゴルフ倶楽部でバックティーやフルバックティーからプレーしたスコアや、他のコースでプレーしたスコアも含まれています。
そのため、実際のストローク数の差と、ストロークス・ゲインドの差には誤差が生まれることになり、その点は大雑把にみていく必要があるといえます。
分析はおなじみスマホアプリ「Golf Metrics」です。
98叩いたラウンドの「スクラッチプレーヤーに対して稼いだ(失った)打数」を、ざっくり分析する
まず、ショットを(1)パー5・パー4のティーショット(Drive)、(2)(1)を除く100ヤード以上のショット(Approach)、(3)100ヤード以内のショット(Short)、(4)パッティング(Putts)に分けた際の、それぞれのスクラッチプレーヤーに対するストロークス・ゲインドを比較したいと思います。
まず、以下が98叩いた日のショット別のスクラッチプレーヤーに対するストロークス・ゲインドです。
次に、以下が「その前の5ラウンド」のショット別のスクラッチプレーヤーに対するストロークス・ゲインドです。
まず、目立って差が大きいのがパー5・パー4のティーショットの差です。
普段(その前の5ラウンド)は1ラウンド平均2.75打しか打数を損していないのに対し、この98叩いた日は1ラウンドで9.11打も打数を損していました。
これは、上述の通り、ティーショットでのOBが1発、ロストが2回あり、これらの合計で6打失っていることが大きな要因だと言えます。
また、それ以外の100ヤード以上のショット、100ヤード以内のショット、パッティングでも、98叩いた日の方が、「その前の5ラウンド」よりもSGのマイナスが大きくなっています。
つまり、「全般的にまずかった」と言っていいと思います。
しかし、「中でもまずかったのは?」と言われれば、普段に比べてマイナスが6.36打大きいパー4・パー5のティーショットに次いでまずかったのは、普段に比べてマイナスが3.05打大きかった100ヤード以内のショットだったと言えそうです。
ちなみに、私の過去のストロークス・ゲインドのデータを見ると、猛練習生活を始めて以来20ヤード以内の寄せ得意としており、これに加えて最近ではバンカーショットも得意としているというデータが出ていました。
それにも関わらず、最近数回のラウンドではこのショートゲームのストロークス・ゲインドが悪化傾向にありました。
そして、この98を叩いたラウンドでは、これが更に目立って悪化したと言えるデータになっています。
より細かく、残り距離別のストロークス・ゲインドを比較すると、更なる課題がわかる
また、パー4・パー5のティーショットを除くショットを、残り距離別により細かく見たデータが以下です。
まずは、98叩いたラウンドの「100ヤード以上のショット」の残り距離別のSGの分類。
次に、98叩いたラウンドの「100ヤード以内のショット」の残り距離別のSGの分類。
最後に、98叩いたラウンドの「パッティング」の残り距離別のSGの分類。
これを見ると、(パー4・パー5のティーショットを除いて、ですが)60~100ヤードで3.34打損していて、これが最も失った打数が大きい距離となります。
これの大きな原因が「残り70ヤードのリカバリーショットで、隣のホールから林超えに打ったショットがロストし、2打損した」というショットがあります。
これはロストするようなショットではなく、キャディがいたり、同伴競技者のうち何人かが見ていてくれていればロストするようなボールではなかったため、例外的に失った打数だと言えます。
ここで失った2打を引くと、60~100ヤードのショットでは1.34打しか損していないことになります。
これを考慮に入れるとすると、他で最も失った打数が多いのは、2.75打を失った残り100~150ヤードのショット、次いで2.72打を失った20ヤード以内のショット、となります。
この日の100~150ヤードのショットは何が問題だったかというと、この日に100~150ヤードのショットを私は6回打ったのですが、うち4回はバンカーに、1回はラフに入れていました。
曲げようとしたショットが曲がらなかったり、右に出てしまったり、シャンクも1回あり、と原因は様々ですが、この日はこの残り距離で失敗が多かったと言えます。
ホームコースの美らオーチャードはグリーン周りのバンカーが多く、150ヤード以内くらいのグリーンを狙うショットはバンカーに入りやすいとは言え、この日は特にそのミスが多かったと言えます。
これは狙い方というよりも「ショートアイアンならグリーン(できればピン)を狙えるレベルにまで鍛えておく」という練習が日頃から必要だったといえそうです。
また、20ヤード以内の寄せは、レッスンプロに教わった方法でアプローチ練習場で継続して練習して来たショットで、これまでは得意な方のショットだったのですが、この日は全く感じが出ませんでした。
これは、引き続き練習を継続するとともに、レッスンプロに相談したいと思います。
大崩れしたラウンドと、直近のラウンドとを比べることで何が課題なのかを把握する方法
さてストロークス・ゲインドは、残り距離とライのみからショットの善し悪しを測りますが、コースによっては100ヤード以内のショットがやたら難しいコース、200ヤード以上のショットがほとんどないコース、ショートパットが入らないグリーン、ロングパットがほとんどないグリーンなど特徴があります。
そのため、上記のショット別のSGは、他の日のプレーと比較することで、よりその日のショットの善し悪しが判断できると言えます。
そこで、比較対象となる「その前の5ラウンドの平均SG」について、パー4・パー5のティーショットを除くショットを、残り距離別により細かく見たデータが以下です。
まずは、「その前の直近5ラウンド平均」の「100ヤード以上のショット」の残り距離別のSGの分類。
次に、「その前の直近5ラウンド平均」の「100ヤード以内のショット」の残り距離別のSGの分類。
最後に、「その前の直近5ラウンド平均」の「パッティング」の残り距離別のSGの分類。
これらを比較すると、98叩いたホールと「その前の直近5ラウンド平均」の差を、差が大きい順に並べると以下となります。
(数字は、98叩いたホールのSGー「その前の直近5ラウンド平均のSG」=SGの差、です。)
1位.パー4・パー5のティーショット:ー9.11 引く ー2.75 = 6.36打失っている
2位.60~100ヤードのショット:ー3.34 引く ー0.84 = 2.5打失っている
3位.100~150ヤードのショット:ー2.75 引く ー0.98 = 1.77打失っている
4位.7フィート(2.1メートル)~21フィート(6.3メートル)のパット:ー2.50打 引く ー1.38打 = 1.12打失っている
5位.20ヤード以内のショット:ー2.72 引く ー1.87 = 0.85打失っている
これくらいのことは、ストロークス・ゲインドを使ってデータを出すだけでも、(特に頭を使わず、何の分析もしなくても)わかります。
1位のショット(強風、ラフ、台風明けのゴミ等が原因のロスト)、2位のショット(1回の謎のロスト)、3位のショット(バンカーイン多発)は前述の通りです。
そして、これ以外には、7~21フィートのパットで(普段と比べてもなお)大きく打数を損していると言えます。
これまでの私の猛練習生活では、
・ウッドとアイアンのショットはレンジで、レッスンと自習
・ウェッジはアプローチ練習場で練習
・ショートパットは家のパターマットで練習
という3つの練習がベースになっていたため、最近では明らかに練習不足のミドルパット・ロングパットが苦手でした。
特にパーオン率が低い私にとって、打つ機会の少ないロングパットは苦手だったのですが、それ以上にこの日はミドルパットで打数を損したというデータだと言えます。
言い換えると、「ミドルパットが普段より多く残った」か「普段よりミドルパットが悪かった」かのいずれかだと言えそうです。
この日のミドルパットの回数は8回、一方で「それ以前の5ラウンド平均」のミドルパットの回数は10.33回でした。
つまり、「この日のミドルパットの回数は普段より少なかったにもかかわらず、ミドルパットで損した打数は多く、ミドルパット1回あたりの精度に問題があった」と言えます。
前述のように、ミドルパットは練習する機会が限られています。
だから、クラブ競技の前の1ケ月くらいはコースの練習グリーンに通っていた時期もありましたが、最近は練習グリーン通いはあまりしていませんでした。
練習グリーン通いをしていた「その前の5ラウンド」でミドルパットのSGがよくて、練習グリーン通いをサボっていた直近ラウンド(98叩いたラウンド)のSGが悪かったことは必然かもしれません。
結論。
さて、これら分析を経た結論です。
今回の悪いスコアに対する課題は、大きい順に、
1.普段と違うコンディションの日のパー4・パー5のティーショットでスコアを崩さないこと
2.(セルフプレーや2バックなどの際には)セカンドOBも気をつけること
3.グリーンを狙う際には、もう少しバンカーを避けて攻めること
4.グリーン周りからのウェッジを寄るように練習するとともに、寄らなくなった時の対策を持つこと
5.更に上を目指すなら、ラウンドしない日にも練習グリーンに通って7フィート以上のパットを練習すること
だと言えそうです。
私の場合、クラブ競技(ハンディキャップ戦の理事長杯)が終わり、次の大きなハンディキャップ戦は(月例や会場記念日杯などの行事を除くと)来年7月のキャプテン杯となります。
今からだと9ケ月も先であり、モチベーションの維持の仕方に試行錯誤していましたが、98叩くレベルであれば「モチベーションの維持」といったメンタル面以前に、上記のような技術面の課題が多くあり、今回の分析でそれに気づくことができました。
ちゃんと分析してみてやっとわかりましたが、私レベルの場合、毎月の月例の成績向上や、直近の平均スコアの向上などを目標として、判明した課題をもっと練習するのみです。
これは、「たまたま1回のナイスショット」や「たまたま1ホールの大崩れ」などに引っ張られずに、ストロークス・ゲインドを使って客観的に分析して初めて気づけたテーマだと思いました。