初の80切り・ベストスコア更新の78を出せた要因をSG(ストローク・ゲインド)を使って検証してみた
前回の記事で、久しぶりにベストスコアを更新し、初の80切りである78で回ったと書きました。
これについて、何がよかったのかを統計的に分析すべく、SG(ストロークス・ゲインド)を使ってスコアを分析してみたいと思います。
<対象データの抽出>
78で回ったのは、ホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部の白ティーでした。
そこで、このデータと比較するデータは、その前に美らオーチャードゴルフ倶楽部の白ティーで回ったラウンドのうち直近5ラウンドを抽出し、比較したいと思います。
分析に使用するアプリは「GolfMetrics」です。
ストロークゲインドとは?についてはこちら。
<ショット別・ストロークゲインドの比較>
分析対象のラウンドのスコアは78、比較対象の5ラウンドの平均スコアは87.4なので、9.4ストロークほど縮めたことになります。
その内訳を調べていきます。
※SGのデータは全て、スクラッチプレーヤー(平均72で回る人)と比較して稼いだ(損した)打数の1ラウンド平均です。
以下が、78のラウンドのストロークス・ゲインド(以下、SG)です。
パッティングではスクラッチプレーヤーに対して0.42打、打数を稼いでいます。
また、ショートゲームもスクラッチプレーヤーに対して0.61打しか失っていないので、これらはかなり良いプレーだったと言えます。
一方、平均87.4の期間のショット別SGは以下です。
損した打数の差でいうと78のラウンドは、87.4のラウンドと比べて、ドライバーで0.04打、アプローチ(パー4・パー5のティーショットを除く100Y以上のショット)で0.05打悪くなっています。
一方、100ヤード以内のショットは3.39打、パッティングでは5.1打改善しています。
つまり、100ヤード以上のショットは普段よりもむしろ悪化しているにも関わらず、100ヤード以内で合計8.49打も改善してスコアを伸ばしたことになります。
このSGの数値、ゴルファーレベルで言うとどれくらいのレベルなのかを把握するために、このアプリではショット別ハンディというデータがみられます。
78でラウンドしたラウンドのショット別ハンディキャップは以下です。
この日のショートゲームのショット別ハンディはなんと1、パッティングに関してはプラス3という好調振りでした。
ドライバーやアイアンでショット別ハンディキャップをいきなりプラスにすることは難しいと思いますので、一発逆転のビッグスコアを出すにはパッティングやショートゲームは欠かせないと言えそうです。
<ショット別の詳細のSGの分析・ショートゲーム編>
いつもこのブログでスコア分析をする時は、ショットの残り距離別のSGの比較分析もするのですが、この日はショートゲームとパッティングで稼いだことはわかっているので、ショートゲームとパッティングの分析をしたいと思います。
78でラウンドしたラウンドのショートゲームの状況別SGは以下です。
このラウンドではショートゲームでスクラッチプレーヤーに対して0.61打しか失っていないのですが、この日は「どれかのショットで大きく稼いだが、どれかのショットで大きく失った」ということはなく、どの距離でもスクラッチプレーヤーに対してほとんどSGを失っていませんでした。
ただし、傾向としてはバンカーでSGを稼いでいます。
スクラッチプレーヤーに対して0.15打ではありますが、打数を稼ぐことができました。
一方、平均87.4の期間のショートゲームのショット別SGは以下です。
平均87.4のラウンドでは、逆にバンカーで失った打数が多く、78のラウンドと比較すると1.95打の打数を稼いだようです。
78のラウンドはバンカーショットの貢献度が大きかったと言えます。
この2つのデータを比較した際に全ショートゲームで稼いだ打数が3.39打なので、そのうち半分以上をバンカーショットで稼いだことになります。
私のホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部はバンカーが非常に多いコースだということもあり、バンカーショットで差が出たという面があると思います。
ビッグスコアを出すための練習をしようと思うと、そのコースで必要とされるショットを重点的に練習することが大事だと言えるかもしれません。
<ショット別の詳細のSGの分析・パッティング編>
78でラウンドした日のパッティングの残り距離別のSGは以下です。
7〜21フィート(2.1〜6.3メートル)では11回打って、スクラッチプレーヤーに対して失った打数はわずかに0.11打でした。
そして、6フィート(1.8メートル)以内に関しては15回打って0.43打も稼いでいました。
この日の6フィート以内のパットを外したのは、15回のショートパットの中でわずか1回だけ、4フィート(1.2メートル)をオッケーに外したパットがありましたが、それ以外の14回のショートパットは全て決めました。
スクラッチプレーヤーが決める確率が50%のパットは5フィート(1.5メートル)なので、4フィートや6フィートのパットをバンバン決めると、スクラッチプレーヤーに対してショートパットで打数を稼げることになります。
この日にもっともSGで稼いだのはショートパット、次はバンカーショット、その次は60〜100ヤードのショットと7〜21フィートのミドルパットだったようです。
美らオーチャードゴルフ倶楽部はグリーンが小さいことを加味しても、ロングパットの練習の重要性が低く、バンカーショットの重要性が高いと言えそうです。
<その他の一般的な指標の比較>
以下が、78のラウンドその他の指標の比較です。
パーオンは6回(パーオン率33%)と、スコアの割に高くないあたり、ショートゲームで稼いだというデータに信憑性があります。
また、サンドセーブ率50%というのはプロをはるかに上回る数値であり、バンカーショットは練習の成果に加えて運もよかったと言えそうです。
ホール別のスコアでは、パー5がもっとも悪く、パー3(パー3つ、バーディー1つ)が最もよかったと言えます。
一方、以下は平均87.4の期間のその他の指標の比較です。
パーオン数は5.6回と、これはスコア78のラウンドとあまり変わりありませんが、サンドセーブ率は13%、と大きく差があります。
パー5のスコアは平均87.4のラウンドの方がむしろ良いスコアになっていますが、パー3、パー4で差がついています。
では、さらにベストスコアを(近いうちに)更新するにはどうするか。
今回のデータを見て思うのは、ショートパットやバンカーショットで同じレベル(プラスハンディくらい)の成果を何度も出すのは、当面は流石に難しいような気がします。
しかし、ショートゲームは短期間で大幅に改善できる可能性を秘めているように感じます。
まずは今回のレベルでミドルパットと60〜100ヤードのショットを繰り返せるよう反復練習すること、それから20ヤード以内のショット、20〜60ヤードのショットで失う打数を減らすよう練習したり、レパートリーを増やしたりすることが重要だと感じます。
一方、「すぐにベスト更新」という狙いではなく、「長期的に取り組んで、大幅にベストを更新」を狙うためには100ヤード以上のショットのレベルを上げることが重要だと言えそうです。
ショット別ハンディでは、ドライバー(ショット別ハンディ9)よりもアプローチ(パー4・パー5のティーショットを除く100ヤード以上のショット・ショット別ハンディ14)の方が悪いので、こちらの方が伸びしろがあると言えそうです。