花道残り20Yからの寄せは、ピン1.8m以内に寄せないとスクラッチに対して打数を稼げない Golfmetricsを活用したプレー分析と対策
アメリカPGAツアーで使われているSG(ストロークス・ゲインド)という指標(詳細は書籍「ゴルフ データ革命」にて)を使って自分のSGを分析できるスマホアプリ「Golfmetrics(ゴルフメトリクス)」というアプリがあります。
使ってみたらなかなかハマったので、1年分契約しました。1ケ月で1,200円、1年で8,400円ですが、私はこの費用に見合うくらい楽しめているので、問題なく支払いました。
そして先日、ホームコースの美らオーチャードゴルフ倶楽部でプレーした際にベストスコア更新となる85というスコアを出すことができたので、このラウンドを分析してみたいと思います。
(この前のラウンドでは人生初の90切りとなる87でラウンドしていますので、2ラウンド連続のベストスコア更新となったことになります。)
SGはこれから打つ残り距離とライ、そしてショットの結果、残り距離何ヤードのどんなライに落ちたのかのみから分析するため、実際のスコアの差とは異なることがあります。
スコアは85なのでスクラッチプレーヤーに対しては13打負けた計算ですが、この日はSGをもとにした分析ではスクラッチプレーヤーに対して12.9打損していました。
内訳は
・パー4・パー5のティーショット:1.1打損した
・アプローチ(上記を除く100ヤード以上のショット):6.0打損した
・ショートゲーム(100ヤード以内のパッティングを除くショット):2.7打損した
・パッティング:3.0打損した
という内容で、最も多く打数を損したのがショートゲームであり、パー4・パー5のティーショットが最も損した打数が少なかったことになります。
この日は自分の手応えとしてはバンカーショットが上手く寄っただけでなく、ティーショットがよく飛び、20ヤード以内のショートゲームも好調だった手応えがありました。
この「私の実感」が「統計データとの比較分析」と合致しているのか、ズレているのかを確認するのもこの分析の目的のひとつです。
1.パー4・パー5のティーショットについて
この日はスクラッチプレーヤーに対して1.1打、パー4・パー5のティーショットで打数を損しています。
特に大きく打数を損しているのは以下です。
1位:17番(460ヤード):残り240ヤードの右のバンカーに入れてしまう(飛距離220ヤード)
→0.42打損した
2位:1番(350ヤード):残り180ヤードの右のラフに入れてしまう(飛距離170ヤード)
→0.40打損した
3位:4番(451ヤード):打ち上げのためドライバーで残り260ヤードのフェアウェーまでしか飛ばず(飛距離191ヤード)
→0.28打損した
この日はこれらの他には大きく打数を損したショットはありませんでした。
この日の75パーセンタイル飛距離は215ヤードで、美らオーチャードゴルフ倶楽部での75パーセンタイル飛距離である220ヤードより飛んでいないにも関わらず、ティーショットではスクラッチプレーヤーに対してあまり打数を損していないということになります。
パー4・パー5のティーショットは多少飛距離が伸びても大きく打数を稼げず、フェアウェーキープが重要となりますが、この日はこれができていたことになります。
打数を稼いだホールは以下の3ホールだけあります。
1位:18番(320ヤード):打ち下ろしで残り70ヤードのフェアウェーへ(飛距離250ヤード)
→0.19打稼いだ
2位:6番(295ヤード):残り80ヤードのフェアウェーへ(飛距離215ヤード)
→0.07打稼いだ
3位:16番(320ヤード):残り110ヤードのフェアウェーへ(飛距離210ヤード)
→0.01打稼いだ
稼いだホールでは3ホール合計でわずか0.27打しか稼いでおらず、大きな打数の損をしなかったことがこの日のパー4・パー5のティーショットが好調だった要因だと言えそうです。
また、この日はドライバーの飛距離は伸びていた感覚はあったのですが、打数を稼ぐには至っておらず、むしろ75パーセンタイル飛距離は少し落ちていたくらいでした。
やはりデータで分析することが重要だと感じます。
2.アプローチ(上記を除く100以上のショット)について
書籍「ゴルフ データ革命」やこのGolfmetricsの中では100ヤード以上のショット(ただしパー5とパー4のティーショットを除く)のことを、それがフェアウェイウッドで打とうがユーティリティーで打とうが直ドラで打とうがアプローチと呼んでいます。
この日はアプローチで6.0打損していました。
Golfmetricsでは、アプローチ、ショートゲーム、パッティングは距離別に内訳を集計して計算してくれる機能もあります。
この日、アプローチでは距離別に以下のように打数を損していました。
・100~150ヤード:4.4打損した(この距離を11回打っているので1ショットあたり0.4打損している)
・150~200ヤード:0.6打損した(この距離を3回打っているので1ショットあたり0.2打損している)
・200~250ヤード:0.4打損した(この距離を1回打っているので1ショットあたり0.4打損している)
・250ヤード以上:0.6打損した(この距離を3回打っているので1打あたり約0.2打損している)
これらのデータを見ると、合計で最も損した距離は100~150ヤード、1ショットあたりで最も損した距離は100~150ヤードと、200~250ヤードだったと言えます。
この日のアプローチで特に打数を損していたのは以下のショットでした。
1位:2番の3打目:残り150ヤードのフェアウェーからチョロして残り80ヤードのフェアウェーに止まる
→0.79打損した
2位:11番の3打目:残り130ヤードのフェアウェーからグリーン左40ヤードのラフにこぼす
→0.68打損した
3位:13番のセカンド:残り130ヤードのフェアウェーからピンまで20ヤードのバンカーに入れる
→0.65打損した
4位:3番パー3のティーショット:135ヤードのティーショットでピンまで15ヤードのバンカーに入れる
→0.61打損した
5位:5番のセカンド:残り150ヤードのフェアウェーから残り20ヤードのバンカーへ入れる
→0.60打損した
6位:14番パー3のティーショット:125ヤードのティーショットで右のラフ残り20ヤードにこぼす
→0.57打損した
7位:9番のセカンド:残り110ヤードのフェアウェーから残り30ヤードのフェアウェーで止まる
→0.52打損した
この他にもアプローチのミスはかなり色々やっており、これらの積み重ねでアプローチで6打も損していたことになります。
特に150ヤード以内のアプローチをガードバンカーに入れると0.6打前後も打数を損することになるため、この距離の精度を上げることが課題となります。
私は100~150ヤードのショットは練習場ではけっこう狙ったところに行くのに、ラウンドになると前後左右に大きく外すことが多くなります。
これを習っているレッスンプロに相談したところ、両足の下に一つずつバランスボードを置いてその上でショットしたり、膝立ちや低い椅子に座ったままショットしたりする練習をすることになりました。
これを継続して、ラウンドでの対応力が上がったかどうかを検証したいと思います。
3.ショートゲーム(100ヤード以内のショット)について
この日はショートゲームで2.7打、スクラッチプレーヤーに対して打数を損していました。
内訳は以下です。
・0~20ヤード:0.9打損した(この距離は5回打っているので1打あたり約0.2打損している)
・20~60ヤード:1.0打損した(この距離は3回打っているので1打あたり約0.3打損している)
・60~100ヤード:1.2打損した(この距離は5回打っているので1打あたり約0.2打損している)
・100ヤード以内のバンカー:0.4打稼いだ(5回打っているので1打あたり約0.1打稼いでいる)
芝生の上では合計約3打、ショートゲームで打数を損していますが、バンカーでは5回打って合計0.4打、打数を稼ぐことができました。
この日は100ヤード以内のショットは、芝の上からは14番のセカンドでラフからグリーンにオンし、ピン1.2メートルにつけて0.42打稼いだというショットがありましたが、それ以外の12打のショットでは全て少しずつ打数を損していました。
私は最近ショートゲームが好調だった上に、例えばバンカーに入れたことで打数を損してもバンカーショットでリカバリーできていたために、ショートゲームでこんなに打数を損していた実感はなく、意外な数値でした。
20ヤードフェアウェーからのショットは、ピン横3メートルにつけてもスクラッチプレーヤーに対して打数を損します。
20ヤードフェアウェーから寄せた際の残り距離ごとの、スクラッチプレーヤーに対して稼げる打数・損する打数の一覧は以下です。
<寄った距離:スクラッチプレーヤーに対して稼いだ・損した打数>
20フィート(6メートル):0.48打の損
17フィート(5メートル):0.44打の損
13フィート(4メートル):0.35打の損
10フィート(3メートル):0.26打の損
9フィート(2.7メートル):0.21打の損
8フィート(2.4メートル):0.16打の損
7フィート(2.1メートル):0.09打の損
6フィート(1.8メートル):0.00打の損
5フィート(1.5メートル):0.10打稼いだ
4フィート(1.2メートル):0.23打稼いだ
3フィート(0.9メートル):0.36打稼いだ
2フィート(0.6メートル):0.42打稼いだ
1フィート(0.3メートル):0.43打稼いだ
つまり、スクラッチプレーヤーはフェアウェー20ヤードからの寄せは6フィート(1.8メートル以内)に寄せてくるというイメージであり、これより近くに寄せないとスクラッチプレーヤーに対して打数を稼ぐことはできないということになります。
残り20ヤードでも砲台グリーンの下から寄せると、2~3メートルくらいのところで止まったのを見るとすごく寄ったように見えますが、平均1.8メートル以内に寄せられるように練習する必要があるという目安に向けて練習する必要がありそうです。
一方、バンカーショットは好調でした。
この日の私の5回のバンカーショットとスクラッチプレーヤーに対して稼いだ打数は以下です。
1位:5番・ピンまで20ヤードのバンカーショット:ピンから1.2メートルに寄る(結果:サンドセーブ成功)
→0.55打稼いだ
1位:15番・ピンまで20ヤードのバンカーショット:ピンから1.2メートルに寄る
→0.55打稼いだ
3位:4番・ピンまで20ヤードのバンカーショット:ピンから4.5メートルに寄る
→0.08打の損
4位:3番・ピンまで15ヤードのバンカーショット:ピンから7メートルに寄る
→0.27打の損
5位:7番・ピンまで15ヤードのバンカーショット:ピンから8メートルに寄る
→0.32打の損
3番、4番、7番のバンカーショットではスクラッチプレーヤーに対して打数を損していますが、5番と15番のバンカーでピンから4フィート(1.2メートル)に寄せることに成功し、それぞれ0.55打も稼ぐことが出来ました。
私はこの半年ほど、バンカーショットも週1~2くらいのペースで練習していますが、本で読んだ情報を色々試したり、レッスンプロのアドバイスを聞いたことによって、バンカーショットがようやく安定してきました。
バンカーショットには「普通と同じスイングでいい」という人と、「バンカーショットは普通のショットとは異なり、シューズを埋めて、スタンスを開いて、フェースも開いて、ハンドレートにして、バンスを砂に当ててエクスプロージョンさせる」という人がいます。
私の習っているレッスンプロは、両方やってみてよさそうな方を練習する派。
私が色々練習してコースでも試して、最もよかったのは「手の位置だけ少しだけハンドレートにして、あとは普通のショットと同じスイング。」という方法でした。
そこでこの方法でバンカーショットを打つ際のコツをレッスンプロに教えてもらいました。
レッスンプロの指導していた、このショットの方法での意識の持ち方のコツは「砂を前に飛ばすこと」というものだったので、この意識で練習を続けていました。
この方法にしてからも最初の何週間かはホームランが出ることがあったのですが、よりスイングを小さくして、代わりにヘッドを加速させるように意識して砂を飛ばす練習をしていたら、ホームランの比率が少なくなってきました。
更に、最近はピンまで10ヤードならバックスイングはヘッドが肩より少し上に行くくらい、ピンまで20ヤードならバックスイングは手が顔の高さ、ピンまで30ヤード近ければフルショットに近いバックスイング、というようにバックスイングの高さだけを変えて、インパクトは緩めずに距離を合わせる練習をしていました。
その成果か、この日は急な左足上がりのバンカーショットだった7番のバンカーショットと、グリーンの傾斜の読みを甘くみてしまった3番のバンカーショットを除いてピンに寄せることができました。
このアプリ「Golfmetrics」ではショット別のハンディキャップを出すことができるのですが、この日の私の5回のバンカーショットのハンディキャップはプラス6。プロ並みです。
今日はできすぎだったとしても、バンカーショットに一つ仮説ができたことは大きな収穫だったと思います。
4.パッティングについて
この日はパッティングで3.0打、スクラッチプレーヤーに対して打数を損していました。
・6フィート以内=1.8メートル以内(21パット):1.0打損した
・7~21フィート=2.1~6.3メートル以内(7パット):1.1打損した
・22フィート以上=6.7メートル以上(7パット):0.8打損した
となっていました。
前回、初めての90切りとなった87でラウンドした際はミドルパットが(たまたま)入り、ミドルパットで打数を稼ぐことができましたが、この日はどの距離でも打数を損してました。
特に6フィート(1.8メートル)以内のショートパットでは大きく打数を損したパットに以下のパットがありました。
・6番:3フィート(0.9メートル)のパットを外す
→0.92打損した
・15番:4フィート(1.2メートル)のパットを外す
→0.80打損した
・18番:5フィート(1.5メートル)のパットを外す
→0.67打損した
21パットあったショートパットのうち3回ショートパットを外すと、スクラッチプレーヤーに対して1打損することになるため、スクラッチプレーヤーはショートパットを外すのは10回に1回くらいだと思った方がいいのかもしれません。
パッティングは最近は、家でのパターマットに加えて、朝の練習グリーンに早めに行き、ロングパット、ミドルパットの距離感をつかんだあと、カップのまわりで全方向から2メートルを入れに行く練習をしているのですが、この日はその時間があまり取れなかったことも課題として残ります。
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