スクラッチプレーヤーは残り60〜100ヤードは83%の確率でグリーンに乗せる Golfmetricsを活用したプレー分析と対策
アメリカPGAツアーで使われているSG(ストロークス・ゲインド)という指標があります。
SGの詳細は書籍「ゴルフ データ革命」に書かれていますが、ざっくり説明すると「私の全てのショット・パットと上級者(アメリカツアープロやハンディ0のスクラッチプレーヤー)のショット・パットを比較して、どのショット・パットで上級者に対して何打稼いだか」というデータです。
このSGは「Golfmetrics(ゴルフメトリックス)」というスマホアプリで計算することができます。
現在、試しにこのGolfmetricsを1ケ月利用してみていますが、あまりに悪いスコアはスクラッチプレーヤーと比較しても全てが悪すぎて比較にならないため、自分の中でそこそこのスコアが出た際に、このアプリで詳細を分析しています。
今回も、ゆくゆくはパープレーを目指すべく、先日ベルビーチゴルフクラブでスコア91で回ったラウンドを、このアプリを使ってスクラッチプレーヤーと比較・分析したいと思います。
SGはこれから打つ残り距離とライ、そしてショットの結果、残り距離何ヤードのどんなライに落ちたのかのみから分析するため、実際のスコアの差とは異なることがあります。
91なのでスクラッチプレーヤーに対しては19打負けた計算ですが、この日はSGをもとにした分析ではスクラッチプレーヤーに対して16.8打損していました。
内訳は
・パー4・パー5のティーショット:2.2打損した
・アプローチ(上記を除く100ヤード以上のショット):8.5打損した
・ショートゲーム(100ヤード以内のパッティングを除くショット):3.3打損した
・パッティング:2.7打損した
という内容で、最も多く損したのがアプローチだったというデータになります。
このアプリではその内訳も全て見ることができますので、早速その内訳も分析したいと思います。
1.パー4・パー5のティーショットについて
この日、パー4・パー5のティーショットでスクラッチプレーヤーに対して打数を稼いだホールのトップ3は以下のホールです。
1位:5番ホール(488ヤード):打ち下ろしのティーショットで残り250ヤードのフェアウェーに運んだ
→0.06打稼いだ
2位:10番ホール(438ヤード):残り200ヤードのフェアウェーに運んだ
→0.03打稼いだ
3位:6番ホール(354ヤード):残り150ヤードのフェアウェーに運んだ
→0.01打稼いだ
この日はティーショットで稼いだホールはこの3ホールのみであり、稼いだ打数の合計は3ホール合計でわずか0.1打。
そして、それ以外のホールでは全てティーショットで損していました。
特に損したホールは
1位:14番ホール(509ヤード):左の山に当て残り400ヤードのラフに止まった
→0.46打損した
2位:13番ホール(352ヤード):残り180ヤードの左のラフに入れた
→0.39打損した
3位:1番ホール(357ヤード):残り180ヤードの右のラフに入れた
→0.37打損した
4位:11番ホール(370ヤード):残り180ヤードの左のラフに止まった
→0.33打損した
の4つで、多少飛距離はそんなに悪くなくてもラフに入れると打数を損するということがこれらの結果からわかります。
ただし、それでもティーショットで損した打数が2.2打で済んだのは、チョロやOBなどが一度もなかったためだと言えます。
ドライバーはいつまで経ってもつい飛距離を追求したくなりますが、スコアメイクという目的に限れば、私たちくらいのレベルであれば、多少飛距離が伸びなくても1日に1度も死なないことが重要だと感じます。
2.アプローチ(上記を除く100以上のショット)について
書籍「ゴルフ データ革命」やこのGolfmetricsの中では100ヤード以上のショット(ただしパー5とパー4のティーショットを除く)のことを、それがフェアウェイウッドで打とうがユーティリティーで打とうが直ドラで打とうがアプローチと呼んでいます。
この日はアプローチで8.5打損していました。
Golfmetricsでは、アプローチ、ショートゲーム、パッティングは距離別に内訳を集計して計算してくれる機能もあります。
この日、アプローチでは距離別に以下のように打数を損していました。
・100~150ヤード:2.6打損した(この距離を8回打っているので1ショットあたり0.33打損している)
・150~200ヤード:4.6打損した(この距離を10回打っているので1ショットあたり0.46打損している)
・200~250ヤード:0.6打損した(この距離を3回打っているので1ショットあたり約0.2打損している)
・250ヤード以上:0.7打損した(この距離を3回打っているので1打あたり約0.27打損している)
これらのデータを見ると、合計で最も損した距離も、1ショットあたりで最も損した距離も150~200ヤードだったと言えます。
この日、10回打った150~200ヤードの中で特に損した打数が大きかったのが以下のショットです。
1位:16番の3打目:180ヤードが左にフックしOB
→2打損した
2位:6番のセカンド:残り150ヤードのフェアウェーからのセカンドが松に当たって残り100ヤードのフェアウェーに
→0.90打損した
3位:11番のセカンド:残り180ヤードのラフからのセカンドが木に当たって残り140ヤードのフェアウェーに
→0.59打損した
4位:13番のセカンド:残り180ヤードのラフからのセカンドでチョロして残り100ヤードのフェアウェーに
→0.51打損した
5位:18番のセカンド:残り170ヤードのフェアウェーから20ヤード手前のラフに
→0.34打損した
6位:15番ホールティーショット:151ヤードの打ち上げティーショットがエッジで止まった
→0.32打損した
7位:2番ホールティーショット:183ヤードのティーショットがショートして残り30ヤードのフェアウェーに
→0.30打損した
これらを見ると、OBしたり、木に当たってほとんど進まなかったなど、損した打数が特に大きくなるミスをしていたことが、大幅に打数を損した大きな原因になっているとわかります。
一方、この日は10回打った150~200ヤードの中で、打数を稼いだのは12番のセカンドショットで残り170ヤードのフェアウェーからグリーン残り13メートルに乗り、0.12打稼いだショットのみであり、全然打数を稼げなかったことも原因だったと言えます。
150ヤード以上のショットなんてそうそうナイスショットできませんが、片手シングルの人と一緒に回って見ていると150~200ヤードはしょっちゅうグリーンオンしており、私レベルのゴルファーとの特に大きな差であると感じさせられます。
ちなみにこの日はアプローチ(100ヤード以上)は24回打ちましたが、このうちスコアを稼いだのは上記の12番のセカンド以外では、
・17番パー3で135ヤードのティーショットがピンから6メートルにオン
→0.16打稼いだ
・9番パー3で133ヤードのティーショットがピンから10メートルにオン
→0.01打稼いだ
のみで、あとの21回は損しっぱなしだった計算になります。
ちなみに、このアプリには、スクラッチプレーヤーがショットならその距離から何%の確率でグリーンに乗せるかが紹介されていて、私のスコアと比較できるようになっています。
アプローチでは残り100~150ヤードならスクラッチプレーヤーは72%の確率でグリーンに乗せますが、この日の私はわずか25%、残り150~200ヤードからならスクラッチプレーヤーは50%の確率でグリーンに乗せますが、私はわずか10%と、かなり大きな差がついていることがわかります。
スクラッチプレーヤーは残り100~150ヤードから平均でピンから29フィート(約9メートル)に寄せますが、この日の私はわずか43フィート(約13メートル)、残り150~200ヤードからならスクラッチプレーヤーは平均でピンから42フィート(約12メートル)に寄せますが、私は78フィート(約23メートル)とこのデータでも大きく差をつけられています。
かなり明確にこの距離は課題であると言えそうです。
3.ショートゲーム(100ヤード以内のショット)について
この日はショートゲームで3.3打、スクラッチプレーヤーに対して打数を損した日でした。
内訳は以下です。
・0~20ヤード(9回):0.1打損した
・20~60ヤード(6回):1.6打損した
・60~100ヤード(3回):1.5打損した
・バンカー(1回):0.2打損した
全てのショットで少しずつ損していますが、ほとんどは20ヤード以上のショートゲームでの損だったと言えます。
この日、特にショートゲームでスクラッチプレーヤーに対して大きく打数を損したのは、以下のショットです。
・13番パー4の3打目:残り100ヤードのフェアウェーからのショットがダフりグリーン手前残り40ヤードのラフへ
→0.79打損した
・2番パー3のセカンド:30ヤードの寄せがショートし残り10ヤードの花道で止まる
→0.63打損した
・3番パー5の3打目:90ヤードのショットがショートし残り20ヤードのラフで止まる
→0.63打損した
・5番パー5の4打目:残り10ヤードのフェアウェーからグリーン上ピンから3メートルのところにつけた
→0.48打損した
それ以外は大きなミスは少なく、かなりこらえたほうだったと感じます。
特に20ヤード以内は3番で残り20ヤードのラフから0.6メートルにつけて0.60打稼ぐなどかなり好調でした。
1回だけ打ったバンカーショットも16番で残り20ヤードのバンカーからピン6メートルにつけ0.17打損しただけに留めることに成功したので御の字と言えると思います。
この20ヤードのアプローチとバンカーショットはラウンド以外に、週に1~2回ほどアプローチ練習場で練習するようになってからもう4ケ月ほど経つのでこの練習の効果だと思われます。
特に好調なのは20ヤード前後のアプローチで、これはこの2ケ月ほど、アプローチ練習場で右手と左手のそれぞれで片手打ちして寄せる練習を続けて来たことにより、明らかに精度がよくなったのを感じています。
グリーンに乗る率を見ても、ショートゲームで残り20ヤードならスクラッチプレーヤーは96%の確率でグリーンに乗せますが、この日の私はなんと100%、スクラッチプレーヤーは平均5フィート(約1.7メートル)に寄せますが、この日の私も平均5フィートに寄せているので、スクラッチプレーヤー並みのプレーだったと言えます。
一方、残り20~60ヤードからならスクラッチプレーヤーは88%の確率でグリーンに乗せますが、私は83%、スクラッチプレーヤーは15フィート(約5メートル)に寄せますが、私は23フィート(約7メートル)だったので精度が少し低かったと言えます。
そして、残り60~100ヤードからならスクラッチプレーヤーは83%の確率でグリーンに乗せますが、この日の私は0%、スクラッチプレーヤーは平均20フィート(6メートル)に寄せますが、私は53フィート(16メートル)であり、個々で大きな差がついていると言えます。
バンカーショットはスクラッチプレーヤーは83%の確率で乗せますがこの日の私は100%、スクラッチプレーヤーは平均17フィート(約5メートル)に寄せますが、私は23フィート(約7メートル)であり、これもまずまずだったのではないかと思います。
4.パッティングについて
この日、スクラッチプレーヤーに対してパットでは2.7打の損でした。
ベルビーチゴルフクラブは特にグリーンが難しいコースなので、この打数はこれまでの中ではよかった方だと思います。
内訳は
・6フィート以内=1.8メートル以内(20パット):1.4打損
・7~21フィート=2.1~6.3メートル以内(10パット):1.4打損
・22フィート以上=6.7メートル以上(3パット):0.1打稼いだ
となっていました。
この日唯一、スクラッチプレーヤーに対して打数を稼いだのが22フィート以上のパットでした。
内訳は
・12番:43フィート(13メートル)のパットを3フィート(1メートル)に寄せる
→0.08打稼いだ
・9番:33フィート(10メートル)のパットをOKに寄せる
→0.06打稼いだ
・13番:27フィート(8メートル)のパットを1メートルに寄せる
→0.08打損した
の3回で、合計0.06打ほど稼いだ計算になります。
21フィート(6メートル強)以内のパットでは3打損しているので、この距離を更に練習する必要がありますが、22フィート以上のパットの距離感・方向感はこの日の感じであればなかなか良かったと言えそうです。
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