シングルは1Rで9回の4.5mパットをOKに寄せ、2回の2.1mパットをカップインする SGPでミドルパットの分析
先日、グリーンが難しいことで有名なベルビーチゴルフクラブでラウンドした際に、パッティングがあまりにもひどくてスコアを崩したラウンドがありました。
このラウンドの、特にパッティングについて振り返り、今後の対策を考えてみたいと思います。
分析手法はおなじみSG(ストロークス・ゲインド)。
分析に使用するアプリは「GolfMetrics」です。
パットは100オーバーゴルファー並み、ミドルパットは120オーバー並みに打数を損していた
以下が先日のベルビーチゴルフクラブでのラウンドのショット別ハンディです。
ショットはシングルですが、パットのハンディは29です。
パー72のホールで28オーバーならスコアは100ですので、ショット別ハンディ29ということは、パッティングに関しては100をなかなか切れない人と同じレベルだったということです。
ベルビーチゴルフクラブはグリーンが広い上に、傾斜、芝目がきつく、しかも傾斜も芝目も複雑に入り組んでいるため、非常にグリーンが難しいことで有名です。
とは言え、さすがにこれは叩きすぎたと思います。
以下はスクラッチプレーヤー(72で回る人)に対するSGです。
パットだけで7.54打も損しています。
ショットでは1.57+1.79+1.86=5.22打しか損していないので、全てのショットで損した打数の合計よりパットで損した打数の方が多いことになります。
そして、パッティングの距離別のSGP(ストローク・ゲインド・パッティング)は以下です。
ミドルパットで損した打数が最も多いということになります。
このアプリによると、7〜21フィート(2.1m〜6.3m)のミドルパットのショット別ハンディは、なんと48。
48オーバーと考えると、なんと120叩く人のレベルです。
そこで、今回は7〜21フィートのパットについて、重点的に分析したいと思います。
ミドルパットのショット別ハンディシングルを目指すなら、1ラウンドで1〜2回以上はミドルパットをカップインする必要あり
今回は7〜21フィート(2.1〜6.3m)のミドルパットがシングルハンディ並みの腕である「ミドルパットシングル」を目指すことについて考えたいと思います。
まず私の最近のいくつかのラウンドの7〜21フィートのパットのSG(1ラウンド合計)とショット別ハンディの関係は以下となっています。
SG -7.54打 → ショット別ハンディ 48
SG -3.56打 → ショット別ハンディ 42
SG -2.43打 → ショット別ハンディ 34
SG -2.27打 → ショット別ハンディ 27
SG -1.67打 → ショット別ハンディ 23
SG -1.39打 → ショット別ハンディ 18
SG -0.71打 → ショット別ハンディ 11
SG -0.26打 → ショット別ハンディ 5
SG +0.20打 → ショット別ハンディ +3
SG +0.74打 → ショット別ハンディ +12
このアプリでの「ショット別ハンディ」は、ショット1回あたりのSGから出しているそうなので、上記の1ラウンド合計のSGとは完全に比例しないのですが、あくまで参考としてみると上記のようになります。
上記を見ると、ミドルパットのショット別ハンディシングル「ミドルパットシングル」を目指すなら1ラウンドあたりでSG-0.5打以内程度に抑える必要があります。
また、直近10回の私のラウンドの平均スコアは83.1で、うち12.7%がミドルパットなので、1ラウンド平均では10.6回ほどミドルパットを打っている計算となります。
つまり、ミドルパット1回あたりのSGはー0.5÷10.6=約ー0.047程度に抑える必要があると言えます。
では、1ラウンドのミドルパットシングルの基準である1ラウンドあたりSGー0.5とはどれくらいか。
まず、以下にミドルパット1回あたりのSGをまとめています。
7フィート(2.1m)をカップイン→SG 0.53
10フィート(3.0m)をカップイン→SG 0.70
15フィート(4.5m)をカップイン→SG 0.84
21フィート(6.3m)をカップイン→SG 0.93
7フィート(2.1m)をOKに寄せた→SG -0.48
10フィート(3.0m)をOKに寄せた→SG -0.31
15フィート(4.5m)をOKに寄せた→SG -0.17
21フィート(6.3m)をOKに寄せた→SG -0.07
7フィート(2.1m)を1mに寄せた→SG -0.55
10フィート(3.0m)を1mに寄せた→SG -0.38
15フィート(4.5m)を1mに寄せた→SG -0.24
21フィート(6.3m)を1mに寄せた→SG -0.15
7フィート(2.1m)を1.5mに寄せた→SG -0.81
10フィート(3.0m)を1.5mに寄せた→SG -0.64
15フィート(4.5m)を1.5mに寄せた→SG -0.50
21フィート(6.3m)を1.5mに寄せた→SG -0.40
7フィート(2.1m)を2mに寄せた→SG -1.00
10フィート(3.0m)を2mに寄せた→SG -0.83
15フィート(4.5m)を2mに寄せた→SG -0.69
21フィート(6.3m)を2mに寄せた→SG -0.59
ここからわかることは、まず「最も長いミドルパット」である21フィート(6.3m)を、「最も惜しい外し方」であるOKに寄せた場合でも、SGは-0.07打であり、これは上述の「ミドルパットシングルは1回あたりのSGを-0.047に抑える必要がある」より損した打数が大きいということです。
つまり、全てのミドルパットの距離が21フィートであり、それを1日平均10.6回のミドルパットで全てOKに寄せたとしても、ミドルパットシングルの基準には到達しないという点です。
6.3mのパットを毎回OKに寄せることができるとすれば、かなりの上級者だと思いますが、それではまだシングルとは言えないということです。
言い換えると、ミドルパットシングルの基準としては、「少なくとも1日1回以上はミドルパットをカップインさせること」となります。
仮に「11回のミドルパットのうち、10回の21フィートパットをOKに寄せ、1回の7フィートパットをカップイン」という日があった場合、その日のミドルパットの合計SGは-0.17となります。
上述のように、1日のミドルパットSGが-0.26打の場合、そのショット別ハンディは5ですので、-0.17ならミドルパットシングル(むしろ片手シングル)だと言えます。
これが「11回のミドルパットのうち、10回の15フィートパットをOKに寄せ、1回の7フィートパットをカップイン」だと、その日のミドルパットのSGは-1.17となってしまいます。
上述のように、1日のミドルパットSGが-0.71打の場合でも、そのショット別ハンディは11ですので、-1.17ならミドルパットはシングルには至らないということになります。
(上記の一覧から推察するにショット別ハンディは14〜16くらいでしょうか。)
私レベルからするとかなりシビアな条件となります。
少し結果を変えて「11回のミドルパットのうち、9回の15フィートパットをOKに寄せ、2回の7フィートパットをカップイン」だと、その日のミドルパットのSGは-0.47となります。
上述のように、1日のミドルパットSGが-0.71打の場合でも、そのショット別ハンディは11ですので、-0.47なら、なんとかミドルパットシングルだと言えます。
私の場合「15フィートを9回もOKに寄せられるなら十分」くらいのイメージなので、そうであれば1日に2回くらいは7フィートをカップインさせる必要があるということです。
上からや横からの7フィートをイメージするとかなり難しい印象があるので、グリーン周りからのウェッジで「カップの下2メートル」くらいに止めて1パットを狙うくらいの目標設定も必要となるかもしれません。
OKに寄らないパットがある場合は、更に難易度の高いカップインが必要となる
もちろん、ミドルパットを全てOKに寄せるだけでも大変なので、1ラウンドの中にOKに寄らないパットが含まれることも想定する必要があります。
例えば、以下のA.~D.の4つのパターンを考えてみます。
A.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに3回、15フィートをOKに2回、15フィートを1mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 2.95
B.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに2回、10フィートを1mに1回、15フィートをOKに2回、15フィートを1mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 3.02
C.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに3回、15フィートをOKに2回、21フィートを1mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 2.86
D.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに2回、10フィートを1mに1回、15フィートをOKに1回、15フィートを1mに1回、21フィートを1mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 3.00
これらのようなはずし方があった場合、その分、いくつかのミドルパットを入れてSGを取り返さないと「ミドルパットシングル」には至らない計算となります。
上記の状況からミドルパットシングルである「1ラウンド平均SG -0.5」にするには、15フィートを3回カップイン、または7フィート2回と10フィート2回カップインすれば取り返せる計算となります。
私の印象では、「15フィートを3回カップイン」「7フィート2回と10フィート2回カップイン」のいずれも、全て下から打ってもなかなか全部は入らない印象です。
つまり、ミドルパットでOKを大幅に超えるオーバーは、取り返すのがかなり難しいと考えた方がいいと言えます。
また、以下のようなはずし方があると、より取り返すのは厳しくなります。
E.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに2回、10フィートを1mに1回、15フィートを1mに1回、21フィートを1mに1回、21フィートを1.5mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 3.23
この場合、ミドルパットシングルである「1ラウンド平均SG -0.5」にするには、10フィートを4回カップイン、または7フィート3回と10フィート2回カップインすれば取り返せる計算となります。
そして、以下の場合はよりハードです。
F.「7フィートをOKに3回、10フィートをOKに2回、15フィートを1mに1回、15フィートを1.5mに1回、21フィートを1.5mに1回、21フィートを2mに1回」
→9回のパットのSG合計 - 3.79
この場合、ミドルパットシングルである「1ラウンド平均SG -0.5」にするには、15フィートを4回カップイン、または7フィート1回と21フィート3回カップインすれば取り返せる計算となります。
このあたりを目指すのはあまり現実的ではないでしょう。
やはり、上述のように、「11回のミドルパットのうち、9回の15フィートパットをOKに寄せ、2回の7フィートパットをカップイン→その日のミドルパットのSGは-0.47」あたりを目指すのが現実的な目標なのではないかと思います。
具体的に改善の余地があったパットを明確にしてみる
最後に、先日のベルビーチゴルフクラブでのラウンドで、ミドルパットのショット別ハンディ48と、120オーバー並みに打数を損していたラウンドのミドルパットをみたいと思います。
1番 18フィート→OK SG: -0.11
2番 12フィート→OK SG: -0.24
3番 10フィート→OK SG: -0.31
4番 10フィート→OK SG: -0.31
6番 17フィート→OK SG: -0.13
7番 8フィート→3フィート SG: -0.48
8番 17フィート→2フィート SG: -0.15
10番 20フィート→7フィート SG: -0.61
7フィート→OK SG: -0.48
11番 17フィート→OK SG: -0.13
12番 18フィート→OK SG: -0.11
16番 10フィート→3フィート SG: -0.38
17番 8フィート→1フィート SG: -0.41
18番 7フィート→2フィート SG: -0.50
上記の合計14回のミドルパットで合計SGは-4.35となっていました。
まず、1つ目の改善ポイントは、カップインが一度もないという点です。
パッとした球がカップに入るか否かは運の要素が大きいので、ここで自分を責めすぎるのも良くないのですが、「ミドルパットシングル」の目安が「11回のミドルパットのうち、9回の15フィートパットをOKに寄せ、2回の7フィートパットをカップイン」である以上、2回はカップに入れたいところでした。
上記の中で、カップインのチャンスがあった短いミドルパットは7番(8フィート)、10番(7フィート)、17番(8フィート)、18番(7フィート)あたりです。
特に10番と17番のパットは上りだったので、あれをねじ込めるか否かが大きな差だったと言えます。
次に、2つ目の改善ポイントは、カップインしないパットの目安は「15フィートをOKに寄せる」が目安なので、それより短いパットを外したり、より大きく外したりというパットが改善ポイントとなります。
上記の中では10番(20フィート→7フィート SG: -0.61)、16番(10フィート→3フィート SG: -0.38)、あたりが該当します。
この10番と16番のパットは上りだったので、確実にOKに寄せたいパットだったと言えると思います。
このように、ミドルパットシングルの目安を作ると改善の余地が大きかったパットが見えてきます。
今後も、(特に練習ラウンドでは)この「11回のミドルパットのうち、9回の15フィートパットをOKに寄せ、2回の7フィートパットをカップイン→その日のミドルパットのSGは-0.47」という目安を頭に入れて、意識してラウンドしたいと思います。