SG(ストロークス・ゲインド)を使ってショット別の目標を設定する方法 〜過去半年の効果検証&現状分析編〜
前回の記事で、現在の私のスコアを分析し、重点課題を見つけて目標設定をしようとした話を書きました。
具体的には以下の流れで次の目標設定をしてみたいと思います。
目標設定の流れ(前回の記事より)
(1)SG(ストロークス・ゲインド)を使って、直近のラウンドと、ラウンドのショット別のデータを取り始めた半年前のラウンドのデータを比較し、向上したショットとそうでないショットを把握する
(2)これもSG(ストロークス・ゲインド)を使って、上級者のショットと私の直近のショットを比較し、「打数が多いために重要度の高いショット」「伸びしろがあるショット」を把握する
(3)特に上級者のショットのレベルを、「プロ」「スクラッチ」「シングル」「80台」「90台」などレベル別に把握し、私が目指すレベルの目安を持つ
(4)上記(1)~(3)をもとに、要・強化ショットと、「どんな状況から、残りどれくらいの距離のどんなライに寄せる」という目標を決定する
(5)目標を達成するための練習法をレッスンプロと相談して決定し、実践・継続する
今回は、(1)(2)について分析してみたいと思います。
つまり、今回はSGを使ったこれまでの半年の効果検証&現状分析編です。
この半年のストロークス・ゲインドを使ったショット・スコア分析はおなじみスマホアプリ「Golf Metrics」で行っています。
ドライバー・ロングゲーム・ショートゲーム・パット別のストロークス・ゲインドの比較分析と効果検証
今から半年前、恐らく平均スコアは90台後半くらいだったころの私の(1)パー5・パー4のティーショット(Drive)、(2)(1)を除く100ヤード以上のショット(Approach)、(3)100ヤード以内のショット(Short)、(4)パッティング(Putts)に分けた際の、それぞれの1ラウンド平均のスクラッチプレーヤーに対して稼いだ(失った)ストロークス・ゲインドが以下です。
最も打数を失っているのが(3)100ヤード以内のショット(Short)であり、1ラウンド平均で9打以上、スクラッチプレーヤーに対して打数を失っています。
次いで打数を失っているのが(2)100ヤード以上のショット(Approach)であり、1ラウンド平均で7打近く打数を失っています。
当時(半年前)は、このような状況を受けて、ドライビングレンジでのレッスンと自習、アプローチ練習場でのショートゲーム練習、パッティンググリーンと自宅のパターマットでのパッティング、それ以外にもラウンド、自宅アプローチ練習用の鳥かご、素振り棒での素振りなどの練習を継続してきました。
そしてこの時点から半年後の9月(平均スコアは80台後半くらい)の私のスクラッチプレーヤーに対して稼いだ(失った)ストロークス・ゲインドが以下です。
最も打数を失っているのは相変わらず(3)100ヤード以内のショット(Short)です。
しかし、明らかに気づくのは、この「100ヤード以内のショット」のSGが、他のショットのSGとの差を縮めているという点です。
これについてやってきたことと言えば、アプローチ練習場での100ヤード以内の練習を週1〜3で継続するということ。
これはやってきてよかったなあ、と心から思います。
また、次いで打数を失っているのはパッティングです。
つまり自分のショット同士を比較してみると、
・得意と苦手の差が縮まっている
・「(3)100ヤード以内のショット(Short)が苦手で、(1)パー5・パー4のティーショット(Drive)が得意」という傾向に変化はない
・「(2)100ヤード以上のショット(Approach)より、(4)パッティング(Putts)が得意」だったのが、「(2)100ヤード以上のショット(Approach)より、(4)パッティング(Putts)が苦手」に変化している
と言えそうです。
また「この半年で縮めた打数」を比較すると
(1)パー5・パー4のティーショット(Drive)
→ ー3.23 引く ー2.75 = ー0.48打
(2)(1)を除く100ヤード以上のショット(Approach)
→ ー6.84 引く ー3.04 = ー3.80打
(3)100ヤード以内のショット(Short)
→ ー9.16 引く ー3.94 = ー5.22打
(4)パッティング(Putts)
→ ー4.87 引く ー3.57 = ー1.30打
となっています。
このデータを見ると、半年前の時点での1ラウンドあたりの失った打数が多いショットほど「この半年で縮めた打数」が大きくなっています。
これは私の場合ですが、そしてあくまでこのデータだけを見ると、上手いショットをより上手くするよりも、下手なショットをより上手くする方が、よりスコアを伸ばしやすいと言えます。
あるいは、それまでに練習をしつづけたショットを更に練習するよりも、それまでに練習していなかったショットをより練習した方が、よりスコアを伸ばしやすいとも言えるかもしれません。
残り距離別のストロークス・ゲインドの比較分析と効果検証
ここから更に、(2)「パー4・パー5のティーショット」を除く100ヤード以上のショット(Approach)、(3)100ヤード以内のショット(Short)、(4)パッティング(Putts)について、残り距離別にスクラッチプレーヤーに対して1ラウンドあたりで失った打数を比較すると以下のようになります。
まずは半年前の「パー4・パー5のティーショット」を除く100ヤード以上のショット(Approach)の失った打数。
次に直近の「パー4・パー5のティーショット」を除く100ヤード以上のショット(Approach)の失った打数。
こちらも全体的にショット別の差が小さくなっており、最も苦手だった100~150が最も改善しています。
(ただし、僅差ですが得意な順番に変化はありません。)
苦手なショットがなくなるような練習をするというのは練習方法としては問題ないと思いますので、この半年間の「パー4・パー5のティーショット」を除く100ヤード以上のショット(Approach)の練習(レンジやラウンド)はあまり間違っていなかったのではないかと思います。
また、以下は半年前の100ヤード以内のショット(Short)の失った打数。
次に直近の100ヤード以内のショット(Short)の失った打数。
こちらはかなり目立った傾向があります。
すなわち「20ヤード以内の寄せ」がほとんど改善しておらず、その他は目に見えて改善しているという傾向です。
20ヤード以内の寄せというのは、グリーン周りからピンを狙うようなショットになります。
このショットは私のホームコースである美らオーチャードゴルフ倶楽部はグリーンが小さいため、非常に多く使います。
それにも関わらず、他のショットと比べて失っている打数が多く、しかも半年間であまり改善していないというのは課題だと言えます。
しかも、以前の記事で、この距離は得意だと書いたことがあります。
しかし、実はこれは「この時たまたま良かっただけ」であり、最近はこの距離は得意だとは言えないとも言えます。
この20ヤード以内の寄せは重点課題だと言えると思います。
こちらは、半年前のパッティング(Putts)の失った打数。
次に、直近のパッティング(Putts)の失った打数。
こちらも目立った傾向があります。
すなわち、全体としては改善傾向ではあるものの、長いパットほど改善傾向が強く、短いパットほど改善傾向が少ないという点です。
これらの詳細を比較すると、直近のラウンドで失った打数が多い順に
1位.パー5・パー4のティーショット:ー2.75打
2位.20ヤード以内のショートゲーム:ー1.87打
3位.6フィート(1.8m)以内のショートパット:ー1.66打
4位.7~21フィート(2.1~6.3m)のミドルパット:ー1.38打
が目立って打数を失っていると言えます。
また、「この半年で縮めた打数」を比較すると
1位.100~150ヤード: ー3.71 引く ー0.98 = ー2.73打
2位.20~60ヤード: ー2.42 引く ー0.51 = ー1.91打
3位.60~100ヤード: ー2.55 引く ー0.84 = ー1.71打
4位.100ヤード以内のバンカーショット: ー1.79 引く ー0.73 = ー1.06打
5位.150~200ヤード: ー1.92 引く ー0.93 = ー0.93打
となります。
100ヤード~150ヤード、150~200ヤードはレッスンプロに習ってスイングの基本を練習したのがよかったとしか思えません。
また、20~100ヤードはこの3ケ月くらいの間、アプローチ練習場で距離別の打ち分け、ラフとフェアウェーでの打ち分け、上げたり転がしたりの打ち分けなどを練習して来た成果だと感じます。
バンカーショットは、アプローチ練習場でのバンカー練習に加えて、ラウンドの回数をこなしたことが聞いていると思います。
そして、「縮めた打数が多いショットはいずれも、半年前の苦手ショットである」と言えます。
ただし、逆は真なりとは言えません。
つまり「半年前の苦手ショットが、全て大きく改善している」とは言えないということです。
半年前も今も、1ラウンド平均で2打近く打数を損しているショットがあります。
それが、
1位.6フィート(1.8m)以内のショートパット:
半年前はー1.75打 → 今はー1.66打
= 縮めたのは0.09打
2位.パー5・パー4のティーショット(Drive):
半年前はー3.23打 → 今はー2.75打
= 縮めたのは0.48打
3位.20ヤード以内のショートゲーム:
半年前はー2.40打 → 今はー1.87打
= 縮めたのは0.53打
4位.7~21フィート(2.1~6.3m)のミドルパット:
半年前はー1.79打 → 今はー1.38打
= 縮めたのは0.61打
これらは、当時も失った打数が多くて、今も失った打数が多い、というショットです。
つまり、前述した「上手いショットをより上手くするよりも、下手なショットをより上手くする方が、よりスコアを伸ばしやすい」というのは偽(=真ではない)と言えます。
そして、これらのうち1位~3位のショットは今から1年前~半年前くらいの間にかけてよく練習していたショットです。
(ミドルパットはラウンド以外ではあまり練習していません。)
つまり、前述の「それまでに練習をしつづけたショットを更に練習するよりも、それまでに練習していなかったショットをより練習した方が、よりスコアを伸ばしやすい」という方が真だと言えそうです。
(それによりミドルパットも上手くなる可能性があると言えそうです。)
多く打つショットを上達させる方が効率がよく、少ないショットを上達させる方が効率が悪い
そして、これらを見ていてもう1点気づくのが、これらのショットはすべてショット数の構成比が高いという点です。
以下は、半年前の時点でのショット数の構成比、(1ラウンドあたりではなく)1打あたりのSG(ストロークス・ゲインド)、ショット別ハンディキャップです。
次いで、以下は、半年前の時点でのショット数の構成比、(1ラウンドあたりではなく)1打あたりのSG(ストロークス・ゲインド)、ショット別ハンディキャップです。
1打あたりのSG(ストロークス・ゲインド)、ショット別ハンディキャップの分析については今回は述べませんが、注目すべきはショット数の構成比です。
1ラウンドあたりのショット数の構成比が多い順は、半年前も今も
1位.6フィート以内のショートパット(20.2%→23.1%)
2位.パー4・パー5のティーショット(15.5%→17.7%)
3位.7~21フィートのミドルパット(11.8%→11.8%)
4位.20ヤード以内の寄せ(10.1%→9.2%)
という順番です。
これらは、上述の「半年前も今も、1ラウンド平均で2打近く打数を損しているショット」と一致しています。
つまり、これらのショットは「ショットの構成比が高いのでより練習した方がいいにも関わらず、あまり上達していない」と言えます。
あるいは「半年前より以前の間では構成比が高いショットをより練習したためにスコアを伸ばせたが、半年前から現在までの間では構成が高いショットの練習が不足している」と言えるかもしれません。
しかし、いずれにしてもこの冬の重点課題であることは間違いないと言えそうです。
結論:この冬の重点課題はこの4つ
さて、結論です。
この半年間の効果検証をしてみると、半年前に苦手だったショットの方が練習による改善が大きい傾向があると言えます。
そして、その例外にあたる「当時も苦手であり、そこから練習したにも関わらず、今も苦手。しかもショット数の構成比は高い」というショットについて、目標を設定し、練習方法を再度設計して臨むことが重要だと言えそうです。
すなわち(直近で失った打数が多い順に)、
1位.パー5・パー4のティーショット
2位.20ヤード以内のショートゲーム
3位.6フィート(1.8m)以内のショートパット
4位.7~21フィート(2.1~6.3m)のミドルパット
となります。
これで、この冬の重点課題がかなり明確に決まりました。
そこで次回は、この重点課題ショットについて、短期・中期・長期別にどれくらいのレベルを目標として設定すべきかを考えて行きたいと思います。
レッスンプロに相談して、その目標を達成するための練習方法まで明確にできれば、今回のテーマの考察はいったん終了、あとはやるだけとなるかと思われます。
次回以降のブログでは、ショット別に「このショットでは、これくらいのところに、これくらいの確率で寄るようにしたい」という目標設定をしていきたいと思います。
ストロークス・ゲインドの話が多すぎてよくわからなくなってきた、という方は、ストロークス・ゲインドについて解説した以下の記事をご参考ください。
アベレージ100超えだった私が1年たらずで平均80台になった経緯は以下。