バックティーから回った際は、距離のせいにする前にショートゲームを分析すると気づきがある場合がある ゴルフデータ革命を活用したプレー分析と対策
先日はホームコースの美らオーチャードでラウンドしてきました。
この日は青色のバックティーの更に後ろの、黒色のフルバックティーからラウンドしたこともあり、スコアはアベレージより悪いスコアは102。
パット数は33パットであり、「やはり距離が長かったのでティーショットで損した打数が多かったのでは?」と思っていたのですが、分析しているうちに色々な側面が見えてきました。
この日、平均スコア90のプレーヤーに対してパットで損した打数(SG/ストロークスゲインドのマイナス値の大きさ)はわずか0.35打であり、スコアが102なのでパット以外でなんと11.65打も損した計算となります。
1.パットについて
この日、パットで損した打数が最も大きかったワースト3は以下のホールでした。
ワースト3位:2メートルを外した6番(平均90プレーヤーに対して0.44打損した)
ワースト3位:2メートルを外した12番(平均90プレーヤーに対して0.44打損した)
ワースト2位:7メートルを2メートル外した15番(平均90プレーヤーに対して0.6打損した)
ワースト1位:下りの7メートルを5メートルオーバーした16番(平均90プレーヤーに対して0.92打損した)
しかし、この日は大きなミスはこれくらいで、それに近いくらいパットで打数を稼げたパットが多くありました。
この日、パットで大きく稼いだトップ3は
・2番:2メートルを1パットで決めて平均90プレーヤーに対して0.62打稼いだ
・7番:3メートルを1パットで決めて平均90プレーヤーに対して0.79打稼いだ
・15番:2メートルを1パットで決めて平均90プレーヤーに対して0.62打稼いだ
であり、一見そこまで大きく稼いだようには見えません。
しかし、この日ショートパット(ゴルフデータ革命では2メートル以下はショートパットと定義する)で打数を稼ぐことができました。
この日のショートパットは11回で、なんとこれを全て決めることができました。
この11回のショートパットによって平均90のプレーヤーに対して稼いだ打数は1.32打であり、むしろパットで稼いでいます。
またこの日はミドルパット(ゴルフデータ革命では2~6メートルのパットをミドルパットと定義する)も調子がよく、この日は13回のミドルパットで平均90のプレーヤーに対して0.09打損するだけに留まりました。
これは、上記のような2メートルを外したようなミスは、ミドルパット全体で見るとそれに近いだけ別のミドルパットで稼ぐことで取り返せていたといえます。
つまり、この日の課題は6メートルを超えるロングパットでした。
この日は6メートルを超えるロングパットは5回あり、上記のように7メートルを5メートルオーバーするようなミスを取り返すようなロングパットはありませんでした。
ロングパットの距離感は練習グリーンで人が少ない時に練習するなどしかチャンスがないため、人がいない時間帯に練習グリーンを使えるチャンスがあればもっと活用していきたいと思います。
2.ショートゲーム(100ヤード以内のショット)について
「多少のショットのミスはショートゲームでカバーすれば90は切れる」という考え方で90切りを目指すのであれば、90切りプランはパー3なら1打、パー4なら2打以内、パー5なら3打以内で100ヤード以内まで行き、100ヤード以内は3打以内で上がるというプランになります。
そのためには100ヤード以内を1ホール平均3打以内で回れば、90切りプランに対して100ヤード以内で稼いでいることになり、100ヤード以内で1ホール平均3打以上叩いていれば90切りプランに対して100ヤード以内で損していることになります。
この日は100ヤード以内の平均打数は3.67であり、1日トータルで90切りプランに対して12打も損している計算になります。
そしてこの日はパットでは0.35打しか損していないため、ショートゲームで11.65打も損している計算です。
この日は
・7番のバンカーショットをホームランしてOB(2打損)
・9番の残り100ヤードのショットをトップしてオーバーしてOB(2打損)
という大きな損がありました。
また、他にも
・グリーン周りでザックリが1番で2回(ほとんど進んでなければザックリ1回で1打損×2)
・3番でバンカーから一発で出ないのが1回(1打損)
・18番でグリーン周りの寄せでグリーンオーバー(同じくらいの距離をオーバーしたら1打損)
というような損もあり、上記だけで8打損している計算になります。
平均90のプレーヤーはだいたい40ヤードから3打 で上がるくらいが目安ですが、仮に「40ヤードを3打」という目標だったとしてもそれに対してトータル3オーバーでした。
グリーン周りはアプローチ練習場で様々な状況で練習して自分の球のイメージを作ることが重要かと思われます。
なお、この日はエッジからのパットが2回あり、この2打を上記「1.パットについて」で使っているSG(ストロークスゲインド)の計算方法で計算した場合、上述のショートゲームの損の他に1.06打損している計算になりました。
3.アプローチ(100ヤード以上のショット)
書籍「ゴルフ データ革命」の中では100ヤード以上のショット(ただしパー5とパー4のティーショットを除く)のことを、それがフェアウェイウッドで打とうがユーティリティーで打とうが直ドラで打とうがアプローチと呼んでいます。
私の90切りプランの目安は
・ティーショットとアプローチで、パー3は1回、パー4は2回、パー5は3回でピンまで100ヤード以内のピンになるべく近いところまで運ぶ
・ショートゲームは3打で上がる
・なるべくボギーオン(エッジに乗ったらオンとカウント)し、乗らなければ寄せワン
です。
つまり、「パー3のティーショットで2パット圏にオン」はアプローチで稼いでいる計算に、「パー4のアプローチ2パット圏にオン」「パー5のセカンドショットのアプローチから100ヤード以内に到達」「パー5のサードショットのアプローチで2パット圏にオン」はアプローチとティーショットで稼いでいる計算になります。
この日、「パー3のティーショットで2パット圏にオン」は1つもなし。
「パー4のアプローチで2パット圏にオン」は15番でセカンドがピンから7メートルにオン(7メートルから平均90のプレーヤーは平均2.02打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.98打)の1回だけであり、これはティーショットとの共同作業なので、アプローチで稼いだ打数は0.5打程度と考えておいたほうがいいかもしれません。
パー5でもセカンドショットのアプローチで100ヤード以内に到達したのは17番の1回のみ、サードショットのアプローチで2パット圏にオンしたのも1度もありませんでした。
さらに、「パー4で3打以上かかって100ヤード以内に到達」「パー5で4打以上かかって100ヤード以内に到達」は
・4番パー5で4打で100ヤード以内到達
・11番パー5で4打で100ヤード以内到達
というものがあり、これで合計2打損しています。
これらの損もティーショットとの合同作業ですが、ここではそれぞれティーショット1打、アプローチ3打ずつ労しているため、アプローチでは合計1.5打くらいの損と考えたほうがよいかもしれません。
この計算方法で計算すると、アプローチでは1打程度損してそうです。
さて、上述「2.ショートゲームについて」で記載したように、平均90プレーヤーは40ヤードを3打で上がる目安なので、その意味では「100ヤード以内を3打」という目安はハードルが高すぎるという見方もあります。
この見方に立つと「40ヤード圏までパー3はアプローチで1回、パー4はティーショットとアプローチで2回、パー5はティーショットとアプローチで3回でピンまで100ヤード以内のピンになるべく近いところまで運ぶ」というのが目安という考え方もあることになります。
この見方で集計する場合、稼いだホールは上述の0.98打稼いだ15番のみ。
一方、損したホールは
・2番パー5は4打で40ヤード以内に到達しているので1打損
→アプローチでは0.75打損くらい
・4番パー5は4打で40ヤード以内に到達しているので1打損
→アプローチでは0.75打損くらい
・9番パー5は3打で40ヤード以内に到達しているので1打損(厳密は3打目がOBなので5打だがこれはショートゲームで損した打数にカウントしているのでここでは1打損とする)
→ティーショットが林に入ってセカンドのアプローチはリカバリーするだけになったのでアプローチの損はなしとカウントする
・11番パー5は4打で40ヤード以内に到達しているので1打損
→アプローチでは0.75打損くらい
あります。
これらの稼いだアプローチと損したアプローチを計算するとアプローチで1.27打損している計算になります。
つまり
・「100ヤードから3打」基準→平均90プレーヤーに対してアプローチで1打損している
・「40ヤードから3打」基準→平均90プレーヤーに対してアプローチで1.27打損している
という計算になります。
これくらいがこの日にアプローチで損していた打数の目安となりそうです。
4.ティーショットについて
この日はパットで0.35打損し、エッジからのパットで1.06打損し、ショートゲームで11.65打損し、アプローチで1打損し、トータルのスコアが102(平均90のプレーヤーに対して12打稼いでいる)であったため、ティーショットで2.06打ほど稼いでいる計算になります。
この日はティーショットのOBが1回(2打損)、上述の9番でティーショットを林に入れてセカンドが出すだけになったのが1回(1打損)あったため、これらを含めるとティーショットで5打近く稼いでいる計算になります。
この計算方法には欠点も多いことと、フルバックティーだったこともあり、かなり自覚がないですが、90のプレーヤーはティーショットでもっと小さなミスを積み重ねているということなのかもしれません。
とにかく、「フルバックティーのせいにする前にショートゲームを見直すべし」ということは言えそうです。