5mからの3パットより、15mからの4パットの方が損は大きい ゴルフデータ革命を活用したプレー分析と対策
先日は琉球ゴルフ倶楽部でプレーして来たのでそのスコアについても分析してみたいと思います。
スコアは95、パット数は35パット、フェアウェイキープ率は50.0%でした。
この日、平均スコア90のプレーヤーに対してパットで損した打数(SG/ストロークスゲインドのマイナス値の大きさ)は3.27打、スコアが95なのでパット以外で1.73打損した計算となります。
1.パットについて
この日、パットで損した打数が最も大きかったワースト3は以下のホールでした。
ワースト3位:7メートルから3パットした東の7番(平均90プレーヤーに対して0.98打損した)
ワースト2位:5メートルから3パットした西の9番(平均90プレーヤーに対して1.06打損した)
ワースト1位:15メートルから4パットした東の9番(平均90プレーヤーに対して1.59打損した)
5メートルからの3パットより、15メートルからの4パットの方が損した打数が多いことになります。
この東の9番の4パットの中で損した打数が大きい順に並べると以下です。
1位:1メートルのサードパットを入れに行って外して1メートルオーバー(1打損)
2位:15メートルのファーストパットを3メートルオーバー(平均90のプレーヤーに対して0.38打損)
2位:3メートルのセカンドパットを3メートルオーバー(平均90のプレーヤーに対して0.38打損)
実は15メートルのロングパットが大オーバーしたことよりも、3メートルのパットが1メートルショートしたことよりも、1メートルのサードパットを1メートルオーバーしたことの方が損した打数が多いことがわかります。
返しの4パット目の1メートルは無事決めたのですが、1メートルを2パットするというのは平均90のプレーヤーに対して0.83打損しており、「1メートルを2パットするということは、15メートルのロングパットが大オーバーするよりも、3メートルのパットが1メートルショートするよりも損する打数が多い」とも言い換えることもできます。
この日は西の6番でも1メートルのパーパットを1メートルオーバーし、これだけで1打損するというミスをしています。
ゴルフデータ革命では、プロとアベレージゴルファーの最大の違いについて、「ショートパットをショートしないのがプロ、ショートパットをショートするのがアベレージゴルファー」だという事実をパットのデータの統計から示しています。
しかし、プロのような速いグリーンならともかく通常営業のグリーンで1メートルのパットを1メートルもオーバーするのはスコアを大きく崩す要因だと言えます。
一方、3パットした残りの2回の合計6パットのうち、損した打数が多かったワースト3は以下のパットです。
ワースト3位:東の7番のセカンドパットで2メートルを1メートルオーバー(平均90のプレーヤーに対して0.55打損)
ワースト3位:東の7番のファーストパットで7メートルを2メートルオーバー(平均90のプレーヤーに対して0.6打損)
ワースト1位:西の9番で5メートルのファーストパットを2メートルショート(平均90のプレーヤーに対して0.68打損)
平均90のプレーヤーは5メートルから平均1.94打でカップインし、2メートルからは平均1.62打でカップインします。
これは「5メートルのパットを2メートル外すということは、「『ほとんど2パットの距離』から、『5回に3回は3パットで5回に2回は2パットの距離』に外す」と同じ意味であり、それだけ損した打数が多いということを示しています。
ゴルフデータ革命では2メートルから6メートルのパットをミドルパットと定義していますが、この日のミドルパットは14回あり、入れたのは2メートルを2回入れたのみ。
この2つで1.24打稼いでいますが、残りの12回の外したミドルパットで2.71打損しており、ミドルパットで合計1.47打損しています。
この日のロングパットでは4回で1打損し、ショートパットで0.8打損しているのですが、これらに比べてミドルパットで損した打数はやや大きく、この日のパットの課題はミドルパットだったと言えます。
更に、上記には集計していませんが、100ヤード以内のグリーンを除く場所だとエッジからパターで打ったショートゲームが4回あり、内訳は
・東の1番でエッジ上残り5メートルからOKに(0.06打損している)
・東の5番でエッジ上残り5メートルから2メートルに(0.68打損している)
・東の6番でエッジ上残り10メートルから2メートルに(0.46打損している)
・西の6番でエッジ上残り10メートルから2メートルに(0.46打損している)
というものがあり、これらの合計で1.66打損している点を加味すると、エッジからパターで打ったものもパッティングとして数えた場合、ミドルパットのこの日のミスはより大きいと言えます。
この日は午後からのラウンドで、練習前にはロングパット、ミドルパット、ショートパットとまんべんなく練習したのですが、ミドルパットは課題であるというデータが取れたことになりました。
2.ショートゲーム(100ヤード以内のショット)について
この日は100ヤード以内から平均3.24打であがっており、90切りに向けての目標の「100ヤード以内は3打であがる」という目標に対して1日トータルで4打オーバーしています。
この4打からパットで損した3.27打を引くと、100ヤード以内のショット(エッジからのパットも含む)では0.97打損しているといえ、ショートゲームは平均90のゴルファーに近いプレーで推移していたと言えそうです。
特に大きくショートゲームで打数を損したと思われるのは
・西の3番でアゴが遠いバンカーで一発で出なかったバンカーショット
・西の7番で残り80ヤードからショートし残り40ヤードのバンカーへ
・東の1番の3打目残り50ヤードからピン奥20メートルにオン(20メートルからは平均90のプレーヤーは平均2.51打で上がるため0.49打の損)
の3つくらいです。
逆にショートゲームで稼いだショットには(100ヤードから3打で上がる前提であれば)
・東の3番で30ヤードから残り5メートルに乗せたショット(平均90のプレーヤーは5メートルから平均1.94打で上がるので0.06打稼いだ)
・東の5番で40ヤードからエッジ上残り5メートルに乗せたショット(平均90のプレーヤーは5メートルから平均1.94打で上がるので0.06打稼いだ)
・西の1番で80ヤードから残り3メートルに乗せたショット(平均90のプレーヤーは3メートルから平均1.79打で上がるので0.21打稼いだ)
・西の8番で20ヤードから残り2メートルに乗せたショット(平均90のプレーヤーは2メートルから平均1.62打で上がるので0.38打稼いだ)
・西の9番で20ヤードから残り5メートルに乗せたショット(平均90のプレーヤーは5メートルから平均1.94打で上がるので0.06打稼いだ)
があり、これらで合計0.77打稼いでいます。
なお、上記は「パットで3.27打損した」という前提で計算していますが、エッジからのパットも含めるとパットでは4.93打損しているので、100ヤード以内のウェッジ(ショートゲームからパターを除いたショット)では0.93打ほど稼いでいると考えることも可能かもしれません。
また、注意しなければいけないのは「パー4なら100ヤードまで2打でいけばいい」という基準は少しショートゲームとパッティングに厳しめの基準であるという点です。
平均90のプレーヤーはだいたい40ヤードから3打 で上がるくらいが目安であるため、本来なら「40ヤード以内を3打であがる」くらいの目安で考える必要があるかもしれません。
その場合、この日は40ヤード以内からは平均2.89打で上がっており、90のプレーヤーが40ヤードを3打であがることを考えると1日で2打稼いでいることになります。
ただし、「90のプレーヤーは40ヤードぴったりから3打くらいであがりそうだ」というデータと、「この日40ヤード『以内』から何打で上がったか」というデータだと、40ヤード『以内』には5メートルとか2メートルとかも含まれるため後者の方がよいデータになるのは当然であり、単純に稼いだとは言えないことになります。
ただし、100ヤード以内を3打で上がる目標に対しては4打損しており、40ヤード以内を3打で上がる目標に対しては2打稼いでいることを考えるとこの中間(1打損)くらいが実態に合っていると言えるかもしれません。
そうであれば、パットとエッジからのパットで4.93打損していることを考えると、3.93打くらいをショートゲームのウェッジで稼いでいるという見方もあるかもしれません。
3.アプローチ(100ヤード以上のショット)
書籍「ゴルフ データ革命」の中では100ヤード以上のショット(ただしパー5とパー4のティーショットを除く)のことを、それがフェアウェイウッドで打とうがユーティリティーで打とうが直ドラで打とうがアプローチと呼んでいます。
私の90切りプランの目安は
・ティーショットとアプローチで、パー3とパー4は2回、パー5は3回でピンまで100ヤード以内のピンになるべく近いところまで運ぶ
・ショートゲームは3打で上がる
・なるべくボギーオン(エッジに乗ったらオンとカウント)し、乗らなければ寄せワン
です。
つまり、「パー3のティーショットで2パット圏にオン」はアプローチで稼いでいる計算に、「パー4とパー3でアプローチから2パット圏にオン」「パー5のセカンドショットのアプローチから100ヤード以内に到達」はアプローチとティーショットで稼いでいる計算になります。
この日、「パー3のティーショットで2パット圏にオン」は
・東の4番:ティーショットがピンから6メートルにオン
→6メートルから平均90のプレーヤーは平均2.02打でカップインするので、このティーショットで稼いだ打数は0.98打
というのがあります。
また「パー4のアプローチで2パット圏にオン」には
・東の6番で150ヤードからエッジの残り10メートルにオン
→10メートルから平均90のプレーヤーは平均2.16打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.84打
・東の9番で140ヤードから残り15メートルにオン
→15メートルから平均90のプレーヤーは平均2.41打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.59打
・西の2番で120ヤードから残り20メートルにオン
→20メートルから平均90のプレーヤーは平均2.51打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.49打
・西の4番で110ヤードからエッジ上残り10メートルにオン
→10メートルから平均90のプレーヤーは平均2.16打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.84打
・西の6番で160ヤードからエッジ上残り8メートルにオン
→8メートルから平均90のプレーヤーは平均2.16打でカップインするので、このアプローチで稼いだ打数は0.84打
の5つがあり、この5つのホールではアプローチとティーショットで合計3.6打稼いだ計算になります。
「パー4のアプローチで2パット圏にオン」の貢献度をティーショットとアプローチで割り振りするよい方法があればいいのですが、あいにく手元にはそれを行うのに必要なデータがないため、仮にこの5ホールをアプローチで1.8打、ティーショットで1.8打稼いだとすると、この日、アプローチで稼いだ打数は0.98+1.8=2.78打となります。
前回のレディースティーからプレーして87を出した日も、ティーショットだけでなくアプローチで稼いでいましたが、この日もアプローチでは平均90のプレーヤーに対して打数を稼げたと言えそうです。
4.ティーショットについて
この日はパット以外で1.73打損して、エッジからパターで打ったショットで1.66打損し、それ以外の100ヤード以内のショートゲームで0.27打稼ぎ、アプローチ(100ヤード以上のショット)で2.78打稼いでいるので、残りの(パー4とパー5の)ティーショットで1.22打も稼いでいる計算になります。
上述のように5回あった「パー4のアプローチで2パット圏にオン」はアプローチとティーショットのそれぞれで1.8打稼いでいる計算なので、残り0.58打をどこかで損している計算です。
これは6番ホールのティーショットで池に入れていることが原因です。
池に入ったペナルティは1打ですが、この次のショットを残り150ヤードの地点から打てたためこのホールはボギーを取れており、これも加味すると池に入れたのは0.57打分のミスだったと計算していることになります。
上述のように、「パー4のアプローチで2パット圏にオン」の貢献度をティーショットとアプローチで割り振りするよい方法があればいいのですが、あいにく手元にはそれを行うのに必要なデータがないため、このような計算方法となります。
この日は上記の計算方法だと、アプローチで2.78打と最も多く稼ぎ、パッティングで3.27打と最も多く損した日だったと言えそうです。
なお、ショートゲームの項に注記したように、平均90のプレーヤーは40ヤードから3打で上がる目安であるため、ティーショットとアプローチの分析をする際には、「パー4なら2打で100残りヤード以内に運ぶ」という目標は低すぎるとも言えます。
仮にティーショットとアプローチでパー4なら2打で、パー5なら3打で、パー3ならティーショット1打で乗せる目標である場合、この日はこれができなかったホールが5ホールありこれで目標に対して5打損している計算になります。
アプローチが半分とするとこの5ホールのアプローチで2.5打損していることになります。
パー3が2パット圏に寄ったことで打数と、稼いだ100ヤード(40ヤード)を狙うショットが2パット圏内に行ったことで稼いだ上記の2.78打と合わせるとアプローチでは2.78ー2.5=0.28打稼いだだけ。
ティーショットでは、上記の「パー4のアプローチで2パット圏にオン」はアプローチとティーショットのそれぞれで1.8打稼いだのに対し、5ホールで2.5打損しているため、1.8ー2.5=0.7打損しているというように考えることができるかもしれません。
このあたりはより正確なデータを取るためには更なる分析方法を取り入れる必要があるといえそうです。