書籍「ゴルフデータ革命」を使って全てのショット・パットをデータで分析し、自分のゴルフの課題と伸びしろを見つける方法
私は千葉県出身・沖縄県在住で、先日はホームコースの沖縄県恩納村の美らオーチャードゴルフ倶楽部でゴルフしてきました。
その際のスコアを分析した話を何回かに分けて書きます。
スコアは毎回GDOのスコア管理アプリでつけているのですが、その際のGDOアプリに記録されているスコアが以下です。
・スコア:97(レギュラーティー)
・パット数:33パット
・フェアウェイキープ率21.4%(右に外す率64.3%、左に外す率14.3%)
・パーオン率5.6%、ボギーオン率66.7%
以前はこれらのデータだけを管理していて、これをもとに100が切れただの、初めて90が切れそうだったのに切れなさそうだっただの、家でのパターマットでの練習でパット数が減ってきただのと色々と、プレーや最近の練習を振り返ったりしていました。
ところが、これらのデータだけでは自分の何が課題なのか、どこに伸びしろがあってどこには伸びしろがないのか、どのプレーはどれくらいのレベルなのか、もっとうまい人やもっと下手な人とは何が違うのかがほとんどわかりません。
スコアは同じ100前後でも内容が全然違う時もあります。
プロやレッスンプロや専門家の意見を総合するとパット数はスコアの約40%であるという意見がほとんどですが、私の33パットを40%で割ると82.5なので、アベレージ100とかの私と同じくらいのプレーヤーと比べるとこのパット数33が少ないというのはわかります。
でも、ではそのよいパット数になっている原因は何なのかというと、ショートパットを外さないからなのか、ロングパットを寄せているからなのか、ウェッジが寄っているからなのか、ウェッジで寄せやすいところにアイアンやフェアウェイウッドで打てているからなのか、(これはないと思いますが)ドライバーが飛んでいるからセカンドが短いクラブで打てているからバーディーパットが寄っているのか、「パット数」というデータからだけでは見えません。
「フェアウェイキープ率が重要だ」と話す上級者は多いですが、私のフェアウェイキープ率は21.4%というのはよいのか悪いのかもわかりません。
以前、18ホール回ってうちショートホールを除く14ホール全てでフェアウェイキープし、フェアウェイキープ率100パーセントだった日がありましたが、その日のスコアは93でした。
フェアウェイキープ率を極限(100%)に上げても上述の97だった日と4打しか縮まっておらず、フェアウェイキープ率は満点なのに90すら切れていません。
また、この美らオーチャードゴルフ倶楽部というコースは、18ホール中14ホールは左寄り右が安全になっていて、上記の14ホールでは左はOBが近くなっています。
このようなコースでは極端な話、全て右のラフに入れてフェアウェイキープ率0%の方が、毎ホールフェアウェイ真ん中を狙って3回くらいOBになってしまうよりスコアがまとまりそうなのは明らかです。
スコア、パット数、フェアウェイキープ率という数字だけでは自分のゴルフの上達や改善の手がかりがほとんどみつからないのです。
私は身長も165cmと体格的に恵まれているわけでもなく、筋肉も多くなく体重は標準体重。
ドライバーも220Y前後ですが、筋力を増やして飛距離を伸ばすという選択肢はゴルフを始めた頃から考えたことがありません。
あとは技術ですので練習していますが、私はアメトークの「運動神経悪い芸人」と同じくらいの運動神経の悪さです。
どれくらいかと言うと、クラスではほとんどのスポーツや運動テストで最下位、ごくたまにビリ2があるくらい。
バスケットボールならレイアップシュートなんて足の動かし方がわからなくて全くできず、サッカーをやればボールを超えて走り抜けてしまうくらい、ビリヤードなら勝ち負けどころか手玉がどの球にも当たらないファールが連発するレベルです。
ゴルフをがんばる以上、目標はシングルで、目標ベストスコアは72ですが、シングルは全ゴルファーの3%とも5%とも言われているので、私の運動能力を考えるとあとは頭を使うしかありません。
私は経営コンサルタントをやっていたので、数字の分析は得意ですし、好きです。
だから、できれば自分のスコアやショットのデータの分析をして早期上達につなげたいと考えていました。
そんな中で出会った本が「ゴルフ データ革命」です。
詳細はまたの機会に書いて行きますが、この本で書かれているSGというデータ解析の手法は最近ではアメリカのプロゴルフツアーでは使われているものの、日本ではプロにもアマチュアにもほとんど活用されていない上に、これまでの「ゴルフの常識」と言われていた考え方を膨大なプロとアマチュアのプレーのデータをもとに、統計的に実証・反証しているという、データ好きゴルファーにはたまらない本だったと言えます。
私も最近はゴルフの本を毎月10冊以上くらいのペースで読みあさっていますが、今まで読んだゴルフの本の中では「データでゴルフを読み解く」という点については最高の本だったと言えます。
(口コミを見ると数字が苦手な人、データにあまり興味ない人は読み進めるのがしんどいという口コミもあるので、ゴルフとデータの両方が好きな方のみお勧めします。)
この本では様々なデータを、プロや私を含むアマチュアのプレーや特徴を分析しやすい形で紹介されています。
例えば、この本で紹介されているデータの中に「平均スコア90のアマチュアは6メートルのパットを平均2打であがる」というデータがあります。
つまり、このデータに基づくといつも6メートルのパットを1パットで決める人は平均スコア90の人に対して6メートルのパットを打つたびに毎回1打稼いでいることになります。
そして、逆にこのデータに基づくといつも6メートルのパットを3パットしている人は、平均スコア90の人に対して6メートルのパットを打つたびに毎回1打損していることになります。
これはどのようなことを意味しているかというと、例えば後者の「6メートルを毎回3パット」というような人が平均スコア90の人並みのゴルフがしたければ6メートルのパットを2パットで入れられるように練習したらよいということがわかります。
また、90というスコアを出すことが目標の人がラウンドした時、実際に6メートルのパットを3パットしてしまった時は、その日、その6メートルのパットで1打損したことになります。
例えばこの日のスコアが91だった場合、目標の90に届かなかった原因は明確で、90で回れなかった原因は「その6メートルのパットを3パットしたこと」だったとわかるため、「ショットは今日の感じでよいので、6メートルのパットを平均2パットで入れられるように練習しよう」ということが分析できます。
もちろん、その日のスコアが100だった場合、6メートルを3パットしたこと以外にも、他で9打損しているはずだとわかりますし、その9打はどこだったのかを分析することでドライバーなのか、アイアンなのか、ウェッジなのか、ロングパットなのか、ショートパットなのか、どれを改善することが重要なのかがわかるようになります。
そして、この本には6メートルのパットだけでなく、30センチから20メートルまで、プロと平均90のプレーヤーのそれぞれが何打で上がるかのデータも乗っているため、今日打ったパットの距離を全て残しておけば、パット数に関係なく平均90の人やプロに対してパットでどのくらい稼いだ(損した)のかわかりますし、どのパットで何打稼いだのか(失ったのか)もわかります。
この「パットで稼いだ打数」をSGP(Strokes Gaind Putting)と呼び、これを使ってパットによりどれだけ稼いだかを分析する方法が本の中で紹介されています。
例えば、私の先日の美らオーチャードゴルフ倶楽部でのパット数は33パットであり、これは(パットはスコアの40%であるという説から)40%で割り戻すとスコア82.5の人並みのパット数なので一見パットがうまいようですが、この日はグリーン周りからOKに寄せたのが何回もあったなどアプローチが好調でした。
そして、短いパットを外す等パットで損した(失った・ロスした)スコアもあり、上述のパットで稼いだ打数=SGPを計算してみると平均90の人に対して1日でパットで2.59打失っていました。
これはこの日に私が寄せたくらいの場所から平均90の人がパッティングをしたら2~3打よい94~95で上がっていたということを示しています。
見てみると、最も打数を損した(失った・ロスした)のは1番で1メートルのパットを外したことで0.89打損したパット、2番目に打数を損したのは6番で5メートルのパットを2メートルオーバーして0.68打損したパットだったという点もわかります。
ちなみに稼いだパットというのもあり、その6番では返しの2メートルを入れたのですが、2メートルは平均90の人は1.62パットで上がるので、1パットで入れると0.62打稼いだことになります。
5メートルからは平均90の人は1.94パットで上がるので、2パットで上がったのはまあまあ平均90の人と同じくらいのスキルだが、2メートルを入れたのは(平均90の人の基準では)ナイスパットだけど5メートルを2メートル外したのはいただけなかった、と分析ができます。
更に、私はこの日97で上がっているため、90でまわる人よりどこかのショットで7打損しているはずです。
パットで損したのは2.59打なので、パット以外で4.41打損しています。
OBはOBしなかった時に比べて2打の損なのですが、この日はOBが2回あり、OBで4打、それ以外で0.41打損していることもわかります。
ここまで分析すると、今分かっているだけのデータでこの日のプレーで最大のミスは2つのOB、2つめは1メートルのパットを外したこと、3つめは5メートルのパットを2メートルオーバーしていることがわかります。
更にこれ以外のほとんど全てのショットを分析する方法がこの本には載っていますので、全てのショットを記録しておけば、どのショットが問題だったのかもわかりますし、何ラウンド分かのデータを記録しておけば、最近はどのクラブでスコアを失っているかもわかります。
私は90切りを目指しているレベルなので90プレーヤーと比べていますが、上級者はプロやアメリカツアーで何度も優勝するレベルのトッププロとも比較できます。
私は一時期、平均90の人の人に対してパットで損をすることがない日もあるレベルに来ていたのですが、その後、ショットの練習でフェースローテーションをもっと使う練習をしていたら、それまではパットのフェースローテーションを使わない打ち方をしていたのにパットでもフェースローテーションをしすぎてしまうパットの打ち方になってきてしまい、それ以降、パットの調子が悪くなり、パットで1日5打も6打もロスするようになってきたことがありました。
そこで、それまでパットのグリップはインターロッキングだったのですが、この日のラウンドからフェースローテーションをしにくいと言われるクロスハンドグリップに変えてみたところ、パットで損した打数は2.5打に改善し、クロスハンドグリップの手応えを感じることができるようになりました。
このSGP以外にも様々なデータ分析に使えるデータがこの本には載っています。
ゴルフの理論は人の数ほどあるんじゃないかと思うくらい多くあるので、自分の体や環境に合っている理論や、自分がやって成果が出る理論を見つける作業が必要だと感じます。
そのためにこの「ゴルフ データ革命」に載っているデータの数々は非常に有用だと感じます。